■共働き家庭に勇気を与える 私立小のアフタースクール

 2016年、伝統校の聖心女子学院初等科がアフタースクール「ジョアニークラブ」を開設し、大きな反響を呼んだ。

「これは『働くお母さんを応援します』という学校側からのメッセージだと思います」(久野さん)

 2018年の編集部調査では、回答のあった私立小学校184校のうち7割以上もの学校が、アフタースクールを導入していることがわかった。増え続ける私立小学校のアフタースクールのなかには、「放課後の預かり」という従来の役割を超えるものもでてきている。

「新渡戸文化小は、入学後に全員がアフタースクールを利用することが前提。スポーツやアートなど20以上のプログラムがあります。鎌倉女子大初等部では、幼児教室『理英会』との協同プログラムが評判です。さとえ学園小は、そろばんや速読のほか、系列である進学校・栄東中学内進に向けた補強授業などを教員が担っています」(野倉さん)

 いずれも保護者の満足度は高いという。

■合否のカギを握るのは父親?

 母親がリードすることも多い小学校受験だが、家族の足並みがそろわないと合格は難しい。

「昔は、社会的なことについては父親、子育てについては母親というように面接の質問が分けられていましたが、今は父親が『お子さんの幼稚園ではどんな遊びが人気ですか』などの質問を受けることも。父親の役割は重要です」(久野さん)

 夫婦間で受験に対する温度差がある場合、どうすればいいか。熱心な母親に対し、父親が引き気味……といったケースでは、「まずは志望校の行事や説明会に夫婦で参加し、子どもにどんな教育を受けてほしいか、イメージを共有しましょう」と二宮さん。野倉さんによると「情報量の少ない父親向けのお受験セミナーもあるので参加するのもよいでしょう」

■水泳、体操、絵画…有利な習い事がある?

 受験対策の塾に通いつつ、複数の習い事を掛け持ちする家庭も。「受験に有利」な習い事はあるのか。

「体を動かすことは、幼児期の発達において重要。入試の課題となる場合もあり、体操教室に通われる方は多い」と久野さん。一方で、「習い事は『受験に有利だから』という発想ではなく、子どもが楽しんで打ち込めるものを選んでほしい」と話す。

「目標を持って取り組め、頑張るほど成果が目に見えるような習い事がおすすめです」(久野さん)

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