「親の受験」と言われるほど、親の関わり方が結果を左右する小学校受験。今の「お受験」事情がどうなっているのか、見当がつかない親は多いだろう。現在発売中の『AERA English特別号「英語に強くなる小学校選び2021」』では、気になる「お受験」のあれこれを専門家3人に取材。最新情報を3回にわたって紹介する。第3回となる今回は、共働きで家庭がお受験に挑戦する際のコツや、お受験で重要な父親の役割、受かるための願書の書き方、面接服の選び方などについて解説する。

■保育園児より幼稚園児が有利?

 共働きでチャレンジする家庭が少ないイメージのお受験。保育園出身だと、やはり不利?

「受験者が幼稚園出身者ばかりだったのも今は昔。受験にはまったく関係ありません」と、ウェブサイト「お受験じょうほう」で小学校受験の最新情報を発信する野倉学さんは言う。その上で「入学後しばらくは最寄り駅まで送り迎えが必須だったり、平日の保護者参加の行事が多かったりする学校も。共働きだと入学してから大変という側面はあります」と言う。

 著書でワーキングマザーに向けてアドバイスもしている、2人の子どもの小学校受験を経験したコラムニストの二宮未央さんは、「共働き家庭がめざすべき受験対策は『量より質』です」と言う。

「ペーパー対策、体を使った外遊びなど、夫婦それぞれが得意な分野を分担するのもよいですね」(二宮さん)

 久野泰可さんが主宰する大手幼児教室「こぐま会」でも会員の約6割が共働き家庭だ。

「願書の段階で保育園児だから、と差別されることは一切ありません」(久野さん)

 ただ、久野さんは、「幼稚園で育った子と保育園で育った子それぞれにプラス・マイナス面がある」とした上で、「両者のタイプの違いは、行動観察のときに表れやすい」という。

「行動観察はお行儀のチェックではありません。大事なのは、集団活動をしているときに『聞く』こと、『話す』ことができるか。一概に言えませんが、保育園のお子さんは、自由な発想で自分の話ができる。幼稚園の子たちは、相手の話を聞く姿勢が身についているという傾向はあるかもしれませんね」(久野さん)

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澤田聡子
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