「親の受験」と言われるほど、親の関わり方が結果を左右する小学校受験。今の「お受験」事情がどうなっているのか、見当がつかない親は多いだろう。現在発売中の『AERA English特別号「英語に強くなる小学校選び2021」』では、気になる「お受験」のあれこれを専門家3人に取材。最新情報を3回にわたって紹介する。第1回に続き今回は、近年人気が上昇中の小学校や、私立小と国立小の受験の違いなどについて解説する。

(図2)2020年度の国立小学校志願者倍率(出典=お受験じょうほう)
(図2)2020年度の国立小学校志願者倍率(出典=お受験じょうほう)

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■「進学力」のある小学校が人気!?

 2020年度の首都圏の私立小学校の志願者倍率(図1)を見ると、トップ5校は共学校。なかでも目を引くのが、ランキング1位となった東京農業大学稲花小だ。同小は2019年に開校したばかり。サイト「お受験じょうほう」で小学校受験の最新情報を発信する野倉学さんは、人気の一因として「付属中学である農大一中の偏差値上昇」を挙げる。

「中学受験で入るのが難しくなり、小学校から入学しておきたいという思惑もあるのではないでしょうか」(野倉さん)

 また、大学までエスカレーター式の名門校や、伝統女子校が根強く支持される一方で、野倉さん、大手幼児教室「こぐま会」代表の久野泰可さんともに指摘するのが洗足学園小(ランキング12位)や東京都市大学付属小(同18位)をはじめとする「受験に強い小学校」の躍進だ。久野さんによると、志望校面談で最近多いのが「先々の受験をどれだけサポートしてくれるか」という保護者からの質問だそう。

「将来は内部進学を選ばず、高校か大学受験にチャレンジさせたい、という保護者が年々増えている。志望校選びに『進学力』という柱が増えたように感じます」(久野さん)

■根強い人気の国立小学校 家庭学習のみでも受かる? 

 志願者数はここ数年横ばい(連載第一回の記事を参照)であるものの、根強い人気の国立小学校。2020年度の志願者倍率(図2)を見ると、60倍超の東京学芸大学附属竹早小を筆頭に、お茶の水女子大学附属小(54.6倍)、日本一の志願者数3900人を誇る筑波大学附属小(30.5倍)が続く。

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澤田聡子
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