もう一つ重視すべき「パッション」とはどういう意味なのだろう。

「子どもには必ず、夢中になって取り組みたいもの、情熱を注ぎ込みたい何かがあります。人は好きだから夢中で努力し、努力するから上手になり、自信や将来の仕事につながるのです。子どものパッションが向かう先を知るために、学校や家庭で多くの体験をさせてほしいのです」

 そしてボークさんは、小学校時代からの質の高い英語教育が絶対に必要だと強調する。

「自動翻訳機が発達し、『英語を学ぶ必要なんてないのでは?』という人もいますが、AIが翻訳できるのは『用件』だけです。私たちが話すとき、届けたいのは『思い』です。人間と人間が国境を超えてつながる時代だからこそ、直接話すことで伝わるものがあるのだと思います」

 最後にボークさんは読者にこんなメッセージを贈ってくれた。

「長く海外で暮らすと、日本人の優秀さ、誠実さ、勤勉さがいかに貴重なものかがよくわかります。必要なのは英語力と表現力だけ。あとは自信をもって、楽しく子育てしてください!」

ボーク重子(ぼーく・しげこ)
ICF会員ライフコーチ、福島県生まれ。1998年渡米、出産。一人娘スカイさんは2017年「全米最優秀女子高生」コンクールで優勝、多くのメディアに取り上げられた。現在は日米での講演会に加え、「ボーク重子の非認知能力を育む子育てコーチング」を主宰。著書に『「パッション」の見つけ方「人生100年ずっと幸せ」の最強ルール』(小学館)など。
(『AERA English特別号 英語に強くなる小学校選び2021』より)

(文/神素子)

【AERA English特別号】英語に強くなる小学校選び 2021 (AERAムック)

【AERA English特別号】英語に強くなる小学校選び 2021 (AERAムック)
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神素子
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