新型コロナウイルスの影響もあり、先行きが見通せない昨今。だからこそ、わが子には少しでもいい環境で教育を受けさせたいと考える親は少なくないだろう。では、どのように子どもの進学先を選べばいいのだろうか。現在発売中の『AERA English特別号 英語に強くなる小学校選び2021』(朝日新聞出版)では、「全米最優秀女子高生」の母であるボーク重子さんに、学校を選ぶ際に何を重視すべきか、話を聞いた。

*  *  *

 大学の学費が非常に高い米国は、奨学金制度も多い。なかでも権威ある奨学金コンクールが「The Distinguished Young Women of America(全米最優秀女子高生)」。2017年に最優秀賞に選ばれたのは、ボーク重子さんの娘スカイさんだった。現在はコロンビア大学に進学し、英国オックスフォード大学にも留学。まさにエリート中のエリートだが、「私は娘に『勉強しなさい』と言ったことは一度もありません」とボークさんは言う。

「通っていた小学校も『子どもは子どもらしく』という信念で、教科書も宿題もなかったんです。私が『九九も言えなくて大丈夫?』とハラハラして先生に相談すると、『人より早く九九が言えることがそんなに大事?』と逆に質問されました」

 その学校とは、政財界のトップの子どもたちが多く在籍するワシントンのボーヴォワール校。卒業生の多くが、アイビーリーグなどの名門大学に進学する超エリート校だ。

「米国では、学力を伸ばすとともに『非認知能力』を伸ばすことを教育の主軸に置いています。私自身も、娘の非認知能力をのびやかに育ててくれる学校を選びました」

 非認知能力とは、社会性や表現力、感情コントロール力、失敗からの回復力、高い自己肯定感など、数値化できない能力を言う。テストの点数やIQではかる「認知能力」以上に、将来的な収入や社会的立場に影響することがわかってきている。

著者 開く閉じる
神素子
神素子

1 2 3