僕は、それでいいと思っている。だからテレビは面白いと思う。そんなことからもテレビのコメンテーターの人には肩書きが必要というか、付けてあげたほうがより分かりやすい役柄になりますよね。つまりはキャラクターですよ。でも、肩書きをよくよく見ると「何だコイツ?」ということがいっぱいあるんですよ(笑)。

 例えば、「コイツ、すっごいコロナのこと話ているけど、感染症やウイルスの専門家でもなんでもないぞ?」って。そういう、専門分野でもないのに何語ってんだろうっていうのを見つけるのは面白い。「若手の論客みたいな肩書きで出てきているけど、この人の商売ってナニ?」とか。「ITの社長って肩書きなのに、なんでコロナのこと語っちゃってんの?」なんてこともある。

 肩書きを見ているとそうなるんだけど、「なんで、オマエが語ってんだよ!」って言いやすいのが我々みたいなタレントでコメンテーターやっている人。それは、見ているみなさんが「タレント」という肩書きはどんな業務をしているか分かりやすいじゃないですか。

 タレントもそれ以外のコメンテーターやっている評論家も肩書きの違いだけで、「なんで、オマエが語ってんの?」ってヤツだらけなんですよ。コメンテーターと言われる人たちをどうせテレビでワイドショーを見ているのであれば、ひとりひとりチェックしてみると、意外とインチキ臭いヤツもいるから面白いっていう(笑)。

 コメンテーターの肩書きに完全に騙される構図なのは、夜のニュース番組。「〇〇経済研究所の〇〇さん」なんていう人をキャスターの横に座らせたりするんだけど、その人がアメリカや中国との国際問題とか人権問題とか今だったらコロナとかを論評するんだけど、それって、専門分野でもなんでもないから、僕らが仲間内で語っているのとか、自分のお父さんとかお母さんが語っているのとか、自分の同僚が語っているのと実は何にも変わらない(笑)。酒飲みながら話しているのと変わりないことを夜のニュース番組のコメンテーターは酒を飲まずに真面目に話しているだけ。ただひとりの大人が自分の見解を語っているだけなんですよ。

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だいたいのコメンテーターは本音を言わない