今年の4月、衝撃的な数字が発表された。今、1億2千万を超える日本の人口が、2065年には約8808万人に減るというのだ。では、50年後の日本はどうなっているのだろうか。毎月話題になったニュースを子ども向けにやさしく解説してくれている、小中学生向けの月刊ニュースマガジン『ジュニアエラ』に掲載された、日本国際交流センター執行理事・毛受敏浩さん監修の解説を紹介しよう。

毛受敏浩先生/日本国際交流センター執行理事。外国人定住政策の専門家。外国人が多く住む東京都新宿区で「多文化共生まちづくり会議」の会長を務める。近著『限界国家』(朝日新書)では、日本の人口減少とその対策について詳しく解説している(撮影/写真部・小原雄輝)
毛受敏浩先生/日本国際交流センター執行理事。外国人定住政策の専門家。外国人が多く住む東京都新宿区で「多文化共生まちづくり会議」の会長を務める。近著『限界国家』(朝日新書)では、日本の人口減少とその対策について詳しく解説している(撮影/写真部・小原雄輝)

■急速に進む少子高齢化

 2015年、国勢調査を始めた1920年以来、初めて日本の人口が減少した。国立社会保障・人口問題研究所の予測では、今後、日本の人口は減り続け、65年には約8808万人になるそうだ。ジェットコースターでいえば、今はてっぺんから先頭車両が下を向き始めたところで、これから速度を増して進むことになるだろう。

 では、なぜ人口が減り始めたのだろうか。その大きな要因は「少子化」だ。日本では1950年ごろから、子どもを少なく産んで大事に育てる時代になった。合計特殊出生率が2.07あれば人口は減りも増えもしない。ところが、50年には3.65あった合計特殊出生率が、74年に2.07を下回り、2005年には1.26まで下がった。その後も、1.5未満の「超少子化」状態が続いている。

 合計特殊出生率が2.07を下回っても、人口は増え続けていた。それは、平均寿命が長くなって死亡数が減っていたからだ。ところが、高齢者が増え続けることで今度は死亡数が増加し始め、とうとう出生数を上回ってしまった。その結果、人口減少が始まったというわけだ。

 日本の大きな問題は、人口が減ることだけではない。高齢者が増える一方で、若者や子どもは減っていく「少子高齢化」が続くことがもっと大きな問題なんだよ。

<なぜ人口が減るんだろう?>

(1)子どもが少なくなった
合計特殊出生率
1947年/4.54
 ↓
2015年/1.45
※資料:厚生労働省「人口動態統計」

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AERA dot.編集部
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