事実は小説より奇なり。朝日新聞が報じたB級ニュースを、小中学生向けの月刊ニュースマガジン『ジュニアエラ』で、夕日新聞社としてピックアップ! その一部を紹介する。

■「カラス侵入禁止」の警告文なぜか効果あり(2017年5月12日 岩手県)

 岩手県大槌町にある「東京大学大気海洋研究所国際沿岸海洋研究センター」は、2011年の東日本大震災で津波被害に遭った建物の一つ。3階部分を仮修復し、1、2階を物置にしていたが、15年春以降、むき出しになった1階天井のパイプの断熱材を、繁殖期のカラスがむしり取るようになった。

 佐藤克文教授(動物行動学)が、知人で「カラスの専門家」の竹田努宇都宮大学研究員に相談すると、「警告文を出してみては」とアドバイスを受けた。「冗談だろう」と思ったが、試しに警告文をつるしてみると、カラスは本当に来なくなった。

 竹田研究員によると、警告文を目にした職員や学生がカラスに視線を向けたり指さしたりすることで、警戒して寄りつかなくなる、ということらしい。

■過酷な環境を再現して救助にいかす(2017年4月20日 東京都)

 東京消防庁は、酷暑や厳寒といった自然環境を再現できる新しい設備を消防技術安全所に設け、報道陣に公開した。

「恒温恒湿室」といい、さまざまな気温、湿度を再現できる。室温はマイナス20℃から80℃まで調整可能で、火災や雪山といった過酷な環境下での救助活動にいかす考えだ。当日は室温を都内での観測史上最高の39.5度、湿度を60%に設定し、同庁の隊員がランニングマシンで走った。体温や心拍の測定値がモニターに表示され、約5分で熱中症の危険が高まることがわかった。

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AERA dot.編集部
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