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水は1リットル1億円!? 宇宙で暮らすのに必要なこと

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佐伯和人先生/大阪大学理学研究科准教授。JAXA月周回衛星「かぐや」プロジェクトの共同研究員を務め、小型月着陸実証機「SLIM」などにも参加。著書に『月はぼくらの宇宙港』、『世界はなぜ月をめざすのか』など。(撮影/熊谷武二)

佐伯和人先生/大阪大学理学研究科准教授。JAXA月周回衛星「かぐや」プロジェクトの共同研究員を務め、小型月着陸実証機「SLIM」などにも参加。著書に『月はぼくらの宇宙港』、『世界はなぜ月をめざすのか』など。(撮影/熊谷武二)

【50年後の月はこうなっている!】

<壮大な宇宙の姿を観測「月面望遠鏡」>
マンガ『宇宙兄弟』で、主人公の兄弟が月を目指す理由の一つは、幼いころ、お世話になった天文学者の夢である月面望遠鏡を建てることだ。空気や、地球から出る電波に邪魔されない月面は、光や電波で天体観測をするのにうってつけだ。

<いつでも発電可能「月一周太陽電池パネル」>
生活に欠かせないエネルギーは、太陽電池で得られる。ただし、約2週間も続く夜は太陽電池が使えない。そこで考えられているのが、月の赤道をグルリと一周する「月一周太陽電池パネル」だ。一年中、太陽が沈まない月の北極や南極付近も、建設候補地となる。

<月の砂で厚い壁をつくる「月面基地本部」>
月では地球よりも強い放射線が降りそそいでいるので、建物の壁を分厚くしなくてはいけない。「レゴリス」と呼ばれる月の砂を焼き固めてレンガのようにするとよいだろう。また、「かぐや」が見つけた巨大な縦孔の中で暮らせれば、放射線を防げると期待できる。

<永久影の氷から「水採掘基地」>
水も、生きていくために必要だけれど月ではまだほんのわずかしか発見されていない。しかし、一年中日が当たらない永久影などには、氷があるのではないかと考えられている。水から酸素をつくるのは簡単だから、貴重な資源になる。

<ロケット発射「宇宙港」>
地球からほかの天体にロケットを発射するには、地球を覆う大気圏を突破するのに、地球の大きな重力に逆らわねばならない。でも、月からなら、地球よりも簡単に発射できる。そこで、月は、宇宙港のような役割を果たすことが期待されている。

<月の石からつくる「酸素工場」>
生きていくためには酸素が必要だが、月には空気がない。しかし、酸素はつくりだせる。月にある石の中に、鉄などの金属などと一緒に酸素がふくまれているんだ。この酸素は、高熱を使って取りだせる。一緒に金属もできるから、酸素工場兼金属工場になる。

<うんちやおしっこも利用「宇宙農場ドーム」>
私たちの体をつくるには、食料から炭素や窒素という物質を得なければならないけれど、月にはない。最初は地球からたくさん食料を持っていき、あとは、うんちやおしっことなって体から出ていく炭素や窒素を肥料にして植物を育て、食料にする工夫が必要だ。

(監修/大阪大学准教授・佐伯和人)

※月刊ジュニアエラ 2017年8月号より


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