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「われわれ」と「あいつら」 トランプ氏は誰を味方につけたのか

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アメリカのガンショップ (c)朝日新聞社

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ジュニアエラ 2017年3月号

朝日新聞出版
定価:490円(税込)

B01N9OM6MI

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 政治経験のまったくないアメリカ大統領が誕生した! ドナルド・トランプ新大統領は、どんな背景から生まれたのだろう? 世界のリーダー、アメリカが大きく変わり始めている。世界と日本はどうなる!? 毎月話題になったニュースを子ども向けにやさしく解説してくれている、小中学生向けの月刊ニュースマガジン『ジュニアエラ』に掲載された、芸人で東京工業大学非常勤講師のパトリック・ハーランさん(以下、パックン)監修の解説を紹介しよう。

*  *  *
 トランプ氏は「われわれ」と「あいつら」という言葉を選挙戦でよく使った。違いを強調して相手をけなし、分断することで、仲間意識を高め、支持者を増やしていったんだ。「分断」をキーワードに、アメリカの今の姿を探ろう。

■分析1:田舎vs都会

 都市化とグローバル化の影響で、アメリカの田舎は過疎化して、仕事も少なく、きちんとした教育を受ける機会も乏しくなってしまった。「自分たちは都会に住むエリートにしいたげられている」と感じる人が増えた。トランプ氏は持ち前の飾り気のない雰囲気で自分を「田舎の代表」と位置付け、「都会のエリート・クリントン氏」を批判。不満がたまっていた田舎の人たちの心をつかんだ。

パックン「トランプさんだってほとんど大都会のニューヨークにしか住んだことがないし、私立の学校ばかり行ってるんだけどね!」

■分析2:労働者vs大富豪

 アメリカでは人口の1%に富が集中している。不満を持つ人は、低所得者を応援する民主党に投票するのが普通だったけど、今回は、労働者を中心に共和党のトランプ氏に票が流れた。「アメリカ企業が国外に建てた工場を国内に戻し、働き口を増やす」と訴えたからだ。でも、アメリカでつくると人件費などが高くつくため、製品も値上がりして、経済はうまくまわらないはず。共和党もビックリの非現実的な政策だけど、労働者には支持された。

パックン「ボンボン育ちのトランプさんが、貧しい労働者を代表するなんて、不思議すぎる!」

■分析3:白人vs移民

 トランプ氏は「移民がわれわれの仕事を奪う」「移民が増えると治安が悪くなる」など、「白人」の立場から、メキシコ系やイスラム教徒の移民を減らす必要性を訴えた。でも、その主張には根拠がない。移民の多い地域のほうが景気はいいし、移民の多い街のほうが治安が悪いことを示すデータもない。それでも、とくに田舎では移民と知り合う機会が少ないため、トランプ氏の差別発言をうのみにする人が多かった。

パックン「ぼくもトランプさんも、みんな移民の子孫なのにね。差別発言を繰り返すなんて政治家失格だよ!」


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