フジテレビ社屋
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 月9よ、お前もか――視聴率が低迷するフジテレビが、さらに崖っぷちに追い込まれた。7月20日にスタートした俳優の福士蒼汰(22)が主演を務める“月9”ドラマ「恋仲」(月曜午後9時)の初回平均視聴率は9.8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区・以下同)と振るわなかった。

 今クールのドラマが軒並み不調なフジテレビ。最後の望みは、月9の「恋仲」だったが、テレビ局関係者は「2桁は行くと思ったのですが……。でも、やっぱりね、予想はしていたと感じているスタッフも少なくないです」と、その落胆ぶりを明かす。

 北川景子主演の「探偵の探偵」(木曜午後10時)も、初回は11.9%だったが、2回目は7.5%に下落。EXILEのAKIRA主演の「HEAT」(火曜午後10時)はさらに悲惨な状況で、第2話の視聴率が3.9%、21日に放送された第3話は4.2%という、「打ち切りラインの数字」(前出の関係者)を記録した。

「『HEAT』は放送前から、すでに映画化が決定しているという期待のドラマ、のはずなんですがね。総務省消防庁の全面バックアップで、共演にSMAPの稲垣吾郎までキャスティングしたのに、やることが全て裏目に出ているとしか言いようがないです」(広告代理店関係者)

 “フジのオワコン”と揶揄される、安藤優子キャスターが司会を務める「直撃LIVEグッディ!」にいたっては、14日の視聴率(2部)がついに1.1%まで落ち込み、悲惨な状況だ。

「フジテレビの“希望の星”は、映画『HERO』のみですよ。あれだけは絶対コケるわけにいかないですからね。2007年公開の前作は興行収入81.5億円でしたが、今回はそれを上回るのが悲願でしょう」(スポーツ紙記者)

 確かに、公開初日まで試写会を行わず、当日は木村拓哉はじめ、出演者たちが生番組に登場し、サプライズで劇場に足を運ぶなど、「異例というか、必死さが伝わるプロモーション」(前出のスポーツ紙記者)だった。

 今のところ、映画動員ランキング、映画興行成績ランキングともに、「HERO」が1位(21日現在、興行通信社調べ)だが、2位には細田守監督の3年ぶりの新作「バケモノの子」が(11日公開)ランクインしている。

「『バケモノの子』は2位ですが、7月20日までの公開10日間の累計成績では、動員140万人、興収18億円を突破するなど引き続き好調です。ほかにも『ポケモン』や『インサイド・ヘッド』といった人気のアニメが6作品もランクインしています。8月には『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN』も公開されますから、今後どこまで動員数を伸ばせるか、注目です」(テレビ誌記者)

 “バケモノ”や“巨人”の追撃にどこまで耐えられるか、「HERO」の踏ん張りがフジテレビの今後を占っているようでもある。

(ライター・浜中こまき)