
メディアには「女のカラダ」に関する都市伝説があふれています。
「あたためは生理痛にも妊活にも効く」「仕事をしすぎるとオス化する」「恋愛やセックスをしていないと女性ホルモンが枯渇する」……。これらはどれも、医学的には根拠のない情報。でも、それに振り回されて、不調のスパイラルに陥ったり、落ち込んだりする女性は少なくありません。
「女体」についての第一人者、産婦人科医の宋美玄先生が、いまの医学でわかっている「ほんとうのこと」だけをベースに20代~40代女性の、身体や性の悩みに答えた新刊「医者が教える女体大全」の中から、一部を抜粋して紹介いたします。
●男性ホルモンが増える病気はある
「オス化」「男性化」という言葉はとてもインパクトがありますね。仕事をしすぎた結果、ヒゲが生えたり、体毛が濃くなったり、ニキビが出たり、仕草がオジサンぽくなったり……といったことを指しているようで、女性向けのメディアでは頻出しています。まるで女性の身体のまま仕事をつづけるのは不自然である、といっているようです。私はこの言葉を見聞きするたび、女性が働くということが日本ではまだ”当たり前”ではないのだなぁと感じます。
仕事をしていてもいなくても、女性の身体は男性ホルモンを分泌しています。男性も女性ホルモンを分泌しています。ただし、その量には大きな個人差があります。