第1325回 野良猫とスキンシップ、独特な距離 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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第1325回 野良猫とスキンシップ、独特な距離

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 うちの飼い猫が気まぐれに残したごはんを、いつの頃からか外にいる野良猫にあげるようになりました。

 その時期その時期で来る猫は必ず1匹。その猫が来なくなると、また別の猫がどこからともなく現れる感じでした。どの猫も誇り高く、決してこちらに近づくことはありませんでした。

 1年くらい前からまた新顔が現れ、ごはんは食べるのだけど、やはりこちらには近づきません。そんなある日のこと。その猫の口元に赤いものが見え、それが地面に滴り落ち……。

 びっくりして、無理やり捕まえてでも病院に連れていこうと思ったのですが、やはりかなわず、心配することしかできませんでした。

 それからというもの、一向に現れません。嫌な想像さえしてしまった数日後、その猫がまた来ました。

 心配していた口元も何もなかったかのようにきれいになっていて、またまたびっくり! そしてなんと、今まで一度も体を触らせなかったのに、向こうからスリスリしてくるように!

 その日を境に、猫との距離が日を追うごとに縮まっていきました。今では私が帰る頃、音を聞きつけてか、どこからともなく現れて、家の壁にこれでもかというほど体を擦りつけ、歓迎してくれます。

 その姿を見て勝手に「コビ」(写真、雌、“媚びる”が語源)と命名しました。もちろん目的はごはんでしょうが、スキンシップにも目覚めたようです。私もコビを撫でますが、うっかりすると引っかかれるので慎重に対処。そこはやはり野良猫、「親しき仲にも……」でしょうか。

 飼い猫とは違う野良猫との距離。微妙なやり取りがそこにはあります。コビとはこの独特な距離を保ちながら、いつまでも一緒にいられたらなぁと思っています。

[船田昌江さん 埼玉県/56歳/会社員]

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(更新 2019/5/24 )


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