第1131回 噛み癖直り癒やし系になったモモ 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

AERA dot.

第1131回 噛み癖直り癒やし系になったモモ

バックナンバー

このエントリーをはてなブックマークに追加

 大特価2万円! 値段につられた若い女性がその子犬を買った。けれど、当然ながらトイレの躾(しつけ)はまだだし、なにより噛み癖がひどくて手に負えない。そこで翌日、彼女は子犬とおまけについてきた餌1袋を、ただで知り合いに譲ってしまった。こうしてわが家にやって来たのがビーグル犬のモモ(写真)だ。
 モモは病院で「生後5カ月は過ぎていますね」と言われただけあって、ペットショップのガラス越しによく見るあのコロコロした可愛さは既になく、顔も体も中途半端に細長い印象は否めなかった。
 おまけになぜか朝4時から鳴きだし、その声はビーグルの別名「森のトランペッター」にふさわしく、響きわたった。わが家が田んぼの真ん中でなければ、すぐに苦情が来ただろう。
 そこで日も昇らないうちから散歩に出たが、睡眠不足よりも厄介だったのが件(くだん)の噛み癖だった。
 私の両手は指先から二の腕まで、時には脇腹や太ももも赤紫に腫れ上がった。しかしこの癖は、噛みついたら遊びをやめるという方法で、1カ月後には何とか直すことができた。
 そんな彼女ももう12歳。今では夜の9時になると、散歩に行こうと私の背中を遠慮がちにトントンたたく。
 しかし、仕事と母の介護に疲れた私がリビングで横になっている時には起こしもせず、大きなおなかを丸出しにしてゴーゴーといびきをかいて一緒に寝るという、聞きわけのいいおばさんワンコになった。
 老人世帯のわが家。ヘルパーさんや看護師さんに毎日来てもらっている。みなさん、吠えもしないでおとなしく座っているモモちゃんには癒やされると朗らかにおっしゃる。だから当分、みんなの癒やし系ワンコで頑張ってもらいたいと願うのは人間の勝手だろうな。

(岩﨑典子さん 大阪府/53歳/会社員)

【原稿募集中!】
「犬ばか猫ばかペットばか」では、みなさまからの原稿をお待ちしております。
原稿は800文字程度で、ペットのお写真を添付のうえ、下記メールアドレスまでご送付下さい。
必ず名前、住所、年齢、職業、電話番号のご記入をお願い致します。

尚、掲載は本コーナーと「週刊朝日」の誌面となります。謝礼は6千円。
mypet@asahi.com
※著作権は本社に帰属します


(更新 2015/6/25 )


バックナンバー

コラム一覧

続きを読む

おすすめの記事おすすめの記事
関連記事関連記事
あわせて読みたい あわせて読みたい