マンガ/上大岡トメ
マンガ/上大岡トメ

 仕事柄、いろんな場所に出かけると、

「よくもまあ、こんなにイライラしている人がいるもんだ」

 という人に出会う。

 空港のカウンターで、「何、トロトロやってんだよ」とキレている人。

 手荷物検査上で鳴らされて、「さっさとやれよ」と、怒っている人。

 エレベーターで、自分だけ乗ったら、まだ人がいるのに「閉」のボタンを押す人もいる。

 わたしも以前、新幹線で荷物を隅っこにうまく置けずにモタモタしていたら、「早くどけよ」

 なんて偉そうに言わたことがあった。

「そんな言い方ないでしょ」と、突っ込みたくなった。

 意識すると、イライラ星人はあちこちにいる。

 かつてのわたしもそうだったような気がする。

 とにかく、あくせくしていた時がある。

 お金に追われ、仕事に追われ、家事に追われ、誰も認めてくれない。

 自分に幸せ感がないから、人にも優しくなれない。

 いつもイライラしていたような気がする。

 けれども、今はそんな人たちを見て、自分に言い聞かせている。

「わたしは、こうならないでおこう」

 理由は、冷静にそんな人たちを見ていると、なんとなく悲しくなったから。

 そんな態度が「幸せ」を遠ざけている気がしたから。

 そして、自分も含めて、「なぜそうなってしまうのだろう」と、考えた。

「ごきげん力にいちばん必要なものは、何か? ひとつだけ答えてください」

 そう訊かれたら、やっぱり、「余裕」と答える。

「時間の余裕」「お金の余裕」などいろんな「余裕」がある。

 ふたつの中でも「時間の余裕」は、今日からでも、ちょっとした努力で作れる。

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