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『仮面ライダーフォーゼ』に全力投球

文・中島かずき

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 さて、7月に入り、今まで内緒で進めていた仕事がやっと表に出てきました。
『仮面ライダーフォーゼ』です。
『仮面ライダー』40周年記念の新シリーズのメインライターを務めます。
 この半年ほど仕事のメインはこれだったのですが、まだいっちゃダメだったので、ずっと我慢してました。
 いや、週一というのはやはり大変です。
 書いても書いてもあっという間に次の〆切が来る。
 なんだか、日々ずっと原稿に追われてる感じで、このコラムも書くネタがなくなってきたなあと思っていたところでした。
 しょうがないので「尻にタコができた話」まで書くしかなかった。
 あれから何人かに「お尻大丈夫ですか」と言われてしまいました。
 でも、ようやく製作発表も終わり、情報解禁となったので、これで自分の身を切り売りするようなことも少なくなるかなと思って、ホッとしてます。

 まあ、今回のライダーは色々と新機軸だらけ。
 フォーゼの姿を見て、驚かれている人達も多いようです。確かに、頭は尖っているしボディの色は白だし、かなり今までの仮面ライダーのイメージとは違っているでしょう。
 主人公がリーゼントに短ランという姿だったり、学園ドラマが主軸だったりと、今回はあえて、「今までと違う物を」という精神でやっています。多分このシリーズが40年間続いて来られたのも、先人達がそういう思いでやってきたからなんじゃないかと勝手に思ったりしているのですが。
 ただ、「しっかりと面白い物を作ろう」という意識でスタッフ一同頑張ってますので、宜しくお願いします。
 考えてみれば、一番最初の『仮面ライダー』が放映されたのは小学校六年生の時。
 夢中になって観てました。
 僕は一番最初の1号ライダーが好きでした。
「改造人間本郷猛は、ベルトの風車に風圧を受けると、仮面ライダーに変身するのだ」
 中江真司さんの名調子のナレーションを真似しながら、一生懸命自転車を飛ばして自分も変身してるような気分になりました。変身ポーズもない初期1号。だけどそれがよかった。
 そのあと2号、新1号、V3と経ていくのですが、さすがに中学生になると親の手前、こういう番組を観ているのが恥ずかしくなる。『仮面ライダーX』まで観て、『アマゾン』からは断念しました。
 昔は、親も友達も「いつまでもこんな子供番組観てるのか」と言ってましたからね。直接も言われたし、ああきっとそう思ってるんだろうなと自分でも思っていた。
 僕らの世代の特撮・アニメ好きは、そういう世論というか、自分の中にある世の中の規範と戦いながら、番組を観なくちゃならなかった。
 まだビデオもない時代です。リアルタイムで見損ねたテレビ番組は再放送くらいしか再見出来る手段はなかった。
 まあ、だから一生懸命理論武装しながら観ていた気がします。理論武装というと大げさかも知れませんが、自分の中の世論に対して自分で言い訳を考えてるという感じでしょうか。

 なので、『アマゾン』以降は、一人暮らしをするようになって補完しました。平成ライダーの頃には、会社で特撮関係の書籍を作っていたので、仕事だと言い訳しながら観ていたな。あれ、やっぱり言い訳してる。三つ子の魂百までですね。

 でも40年も経つと立派な歴史です。
 1号ライダーと今放映されているオーズとが共演すると、お父さん世代と子供世代両方のヒーローの共演という事になる。
 そういう時期に、『仮面ライダー』に関われるのは光栄です。
 小学校六年生の時の自分があれだけ夢中になれたように、今の子供達を熱くさせる番組が作れればいいなと思いながら、日々迫り来る〆切と戦っています。


(更新 2011/7/ 7 )


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中島 かずき(なかしま・かずき)

 劇作家、脚本家。福岡県出身。1985年より劇団☆新感線の座付き作家に。「阿修羅城の瞳」「髑髏城の七人」などの物語性を重視したエンターテイメント時代活劇"いのうえ歌舞伎"を多く生み出す。「アテルイ」で第47回岸田國士戯曲賞受賞。コミック原作や、アニメ「天元突破グレンラガン」(07、09)脚本・シリーズ構成、「仮面ライダーフォーゼ」(11)メイン脚本など幅広く活躍。脚本を手がけた「真田十勇士」(演出:宮田慶子、主演:上川隆也)が8月から上演される

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