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『仮面ライダーW』が先週の日曜日、最終回を迎えました。
いい最終回だったと思います。
平成ライダーシリーズの過去作で何度か見られた、展開の迷走のようなものがなく、作品の狙いがぶれずに最後までキチッと完走したな、という印象を受けました。
まあ、自分も参加していたので身びいきなところはあるかもしれませんが。
ただ、塚田プロデューサーの脚本へのこだわりが、功を奏したのは間違いないでしょう。
主人公は探偵で「事件篇」「解決篇」という前後編の構成を崩さない、風都という限定された空間を舞台とする、など、今までにない縛りを作り、その中でどれだけ物語のバリエーションが作れるかに挑戦するというのは、なかなかハードルが高いことです。
そのこだわりに、メインライターである三条陸さんと長谷川圭一さんが、よく応えたなあとも思います。
僕も、第一回の脚本を読んだ時から、「今回のライダーは脚本が面白い」と感じていました。
ただ、ライダーのデザインはシンプルだし、変身アイテムがUSBメモリという子供には馴染みのないものだし、探偵という設定もおとなっぽいし、子ども達はどういう反応になるかなと、ちょっと不安でした。
でも蓋を開けてみれば、変身ベルトもよく売れているし、番組の視聴率も好調だった。しっかり脚本を作ればそれはお客さんに届くのだと、安心しました。
だけど、この中にゲストライターとして加わると思うと、プレッシャーもありました。 単発ゲストなので、スタートから早い段階での話のバリエーションを広げる時期ならまだ参入もしやすいけれど、自分の仕事のスケジュールから、書けるのはシリーズの後半になることはわかっていました。二号ライダーが出てきて、主役のパワーアップが行われる時期です。
そういう大切なところで、ポツンと入って、流れを壊したらヤバいなあと思っていたのです。
ただ、不安がってても仕方がない。とりあえずどんな話をやるか決めなきゃいけない。 最初の打合せの時に、先ほど上げたいくつかの縛りを聞きました。
今回の『W』ではガイアメモリという特殊なメモリの能力で、ライダーも怪人も変身します。
ビースト・メモリであれば、獣のように力が強い怪物になる。ウェザーというメモリなら気象を自由に操れる怪物になるという感じです。
そのメモリのアイディアが各話の肝になるので、使えそうなメモリの名前がリストになっていました。
その中の、イエスタデイというメモリ名が目に留まりました。
昨日の力を持つ怪物って、どんな能力なんだろう。他の物と違って、ちょっと想像が付きません。
リストの中には、名前だけ拾ってまだ能力を決めていない物もある。イエスタデイもそんなメモリでした。
でも毛色が違う分、面白いことが出来るかもしれない。ちょっとこだわってみたいと思いました。
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