9歳、10歳は、心と体が大きく変化する「プレ思春期」と呼ばれる時期。『AERA with Kids』秋号(朝日新聞出版)では、この時期の子どもに対して、親はどのように接したらいいのかを考えています。

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 このくらいの年代になると、「なんだかいつも機嫌が悪い」「やる気がなくてダラダラしている」といった、子どもの変化に戸惑う親の声が多く聞かれるようになります。

 9歳、10歳は、心も体もグングンと急激に発達する時期。性ホルモンをはじめ、さまざまな脳内物質の分泌も活発になり、感情中枢も刺激を受けます。このため、イライラしたり落ち込んだりと、感情も不安定。体の急激な成長に心がついていけず、子どもは戸惑いや不安をいだくことも。臨床心理士で植松メンタルヘルス・ルーム主宰の植松紀子先生は「こんなときこそ、親の対応が肝心です」と話します。そこで、プレ思春期の子どもをもつ親が心がけておきたい対応術を6つ挙げてみました。

(1)異性の親との入浴は卒業しよう

 個人差はありますが、この時期に初潮や精通を迎える子どももいます。大人の男の人、大人の女の人になる大切な準備期間。自我もしっかり育つので、親に体の成長を見られるのが恥ずかしいと感じるころでもあります。子どもが9歳、10歳くらいになったら、入浴ひとり立ちのとき。親子、きょうだいといえども、異性と入浴するのは卒業なのです。そして、お風呂上りに体を拭いてあげたり、下着を揃えて準備してあげたりといった身のまわりの世話を焼くのもやめましょう。自分の体のケアは自分で。いつまでも小さな子ども扱いはNGなのです。

(2)成長にネガティブな言葉を使わない

 子どもは、まだ子供でいたい気持ちと、大人になりたい気持ちのはざまで心が揺れています。そこに親から「もう生理がきたの?」など否定的な言葉をかけられたら、子どもは傷ついてしまいます。親は子どもの成長を一緒に喜び、うれしいことだと伝えてあげましょう。

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AERA dot.編集部
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