「今でこそ読者モデルってもてはやされていますが、当時は読者モデルの素人ギャルがプロのモデルになるなんて考えられなかった。相手にされないというか、ギャル出身というだけでバカにされる時代でした。しかも、当時の『CanCam』は、10代半ばから事務所に入って“モデル教育”を受けた人しか誌面に出られなかった。そんな状況の中、もえちゃんは努力を重ねてカリスマモデルへと成長し芸能界で活躍しているわけです。読者モデル時代のもえちゃんを知っている編集者たちが今の彼女に会ったら、『もえちゃん、本当に良く頑張ったね』と口を揃えて言うと思います」

 ところで、高身長やハーフなど容姿に恵まれた人が圧倒的に有利なモデルの世界。そんななか、押切はどんな努力をしてきたのだろうか?

「本人も『怒られるぐらい外見がダメだった』と言っていますよね。なので、着こなせる服を増やしたり、メークや髪形で他のモデルと差をつけていたようです。そんな努力が実って、『もえカジ』や『押切巻き』などの彼女らしい独自のスタイルがウケ始めたんですね。そこからモデルとして成功しましたが、さらに絵画や小説と新しいジャンルに挑戦する姿勢は偉いですよ。読者モデルから芸能人という道筋を作った第一人者ですし、そんな押切の生き方は今の若い読者モデルたちの指標になっていると思います」(前出の芸能担当記者)

 根っからの努力家だった押切。絵画や小説もコツコツと発表し続ければ、モデルだけではなく芸能界でも独自のポジションを確立できるかもしれない。(ライター・丸山ひろし)