5月10日から27日までの間に、兵庫県加古川市と高砂市で右足を切り取られたや首のない鳩など、動物の死骸6体が民家の庭先などで相次いで見つかった。

「近所の猫が何匹も突然姿を見せなくなって、おかしいねって話していたんです」(付近に住む40代女性)

 死骸の発見現場は半径2キロ圏内に集中しており、兵庫県警は動物愛護法違反などの疑いで捜査している。飼い猫が被害にあったという加古川市内の60代女性はこう話す。

「5月初めごろ、うちの猫が何匹か突然いなくなった。その後、そのうちの1匹が近くの空き地でおなかを十字に切り裂かれた状態で見つかったんです。腸などの内臓が飛び出していて、臓器の一部はなくなっているようでした」

 この空き地の近くに住む住人はこう話す。

「実は、2年ほど前から体の一部を切断された動物の死骸がよく見つかるんですよ。報道されないだけで、確実に今回の倍以上殺されている。許せないです」

 今回の一連の事件には見逃せない点がある。

 2007年、加古川市に住む小学校2年の鵜瀬柚希(うのせゆずき)さん(当時7歳)が自宅前で何者かに刺殺された未解決事件の現場が、前出の空き地から約4キロと、まさに目と鼻の先の距離にあるのだ。さらに、この事件前後にも、殺害現場付近で首を切断された猫など動物の死骸が複数見つかっていた。この奇妙な符合は何を意味するのか―――。元兵庫県警刑事の飛松五男氏はこう話す。

「状況から考えて、07年の事件の犯人が、ほとぼりが冷めたと見て、自身の犯行を誇示するためにまた動き出した可能性がある。このような動物虐待事件は同じ人物によって繰り返される傾向があり、中には97年の酒鬼薔薇聖斗事件のように殺人に発展するケースもある。警戒が必要です」

 一刻も早く、犯人が逮捕されることを祈るばかりである。

※週刊朝日 2012年6月15日号

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