カンニング竹山/1971年、福岡県生まれ。お笑い芸人。2004年にお笑いコンビ「カンニング」として初めて全国放送のお笑い番組に出演。「キレ芸」でブレイクし、その後は役者としても活躍。現在は全国放送のワイドショーでも週3本のレギュラーを持つ(撮影/今村拓馬)
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※写真はイメージです(GettyImages)

 ついに安倍晋三首相が緊急事態宣言を発令した。東京や神奈川、埼玉、千葉など7都府県で1カ月間にわたり、さらなる自粛が進むことになる。テレビ業界の裏側はどうなっているのか。笑い芸人のカンニング竹山さんは「コロナショックは歴史的なテレビの転換期になる」と感じているという。

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 どの仕事も同じだと思いますが、ここ数日でテレビの現場も止まりました。

 1カ月前にはイベントが止まり、芸人で言うと、バイトをせずにお笑いの仕事だけで月20万~30万円ぐらいの収入を得ていたような後輩たちが、営業やイベント、ライブが無くなり打撃を受けました。彼らは嫁も子どももいたりするのに、バイト先さえない状態。非常事態宣言が出て、これからさらに生活が苦しくなるはずで、これは一般の個人事業主や中小企業の経営者の方たちと同じだと思います。

 そして、いよいよテレビ界にもその波が来て、みなさんが普段見ているタレントの方たちも、どんな売れっ子であろうと仕事が減っているのが現状です。生放送以外の収録は先週末ぐらいからなくなり、特にロケは全くありません。ドラマの撮影もどんどん休止になっているようです。僕が出ている「グッディ!」や「アッコにおまかせ!」などは出演者の間隔を広げるソーシャル・ディスタンシングなどの対策しながらも放送や収録が続いていますが、それは情報制作というくくりだからです。一方で、バラエティー制作(テレビ局によっては第2制作)は全部ストップ。何人かが集まってワイワイやるバラエティー番組は、どうしても感染の危険が高くなるからなのかもしれません。

 カメラが回っていないところがどうなっているかというと、楽屋はもともと個室なので変わりありませんが、準レギュラーは男女別で大部屋という伝統がある「アッコにおまかせ!」も、いよいよ個室になりました。TBSは入り口で検温して、サーモグラフィーカメラも回っていて、熱があれば入れないようになっています。いたるところに消毒液が置いてあるし、演者はめちゃくちゃ手を洗っています。それにテレビに出ている人は、収録以外はずっと家にいて本当に自粛を徹底していますね。何かあったときの影響が大きいので、巷の若者みたいに出歩くわけにはいかないんです。

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