まずすべきことは、モチベーションが下がるコメントをもらわないように少しでも仕事ぶりを伝える努力をすることです。「部下がサボる」と上司が考える背景にあるのは、彼らの「目的意識が低い」と考えていることによります。大抵の上司は、部下が「もっと高いレベル仕事をしたい、成果を出したい」と強く願っているならばサボらないと当然ながら思うものです。ところが上司は、「大半の部下はそうではない」と決めつける傾向があります。しかも多くの部下に接した上司ほどその傾向が高いのです。その理由は、目的意識の高い部下に遭遇することが少ないからです。
筆者も、取材をしていると若手社員で目的意識の高い人にお会いするのはごくまれです。「なんとなく仕事している」とまで言い切る人は少ないのですが、仕事を通じて何を得たいのかを明確に言える若手社員はそう多くありません。ゆえに上司は「彼らは目的意識が低いので、易きに流れてサボる」と考えてしまうのかもしれません。
だとすれば、対策はシンプルです。目的意識が高く、意欲的に見せればいいのです。上司からの連絡は即座に返す、前向きな言葉を添えるといった細かいことから、仕事を通じて成長したいとか、将来は〇〇になりたいなどの目的意識をしっかり伝えることも重要です。そのうえで意欲的な姿勢を示してみてください。状況に変化が生まれる可能性が高いはずです。
■西野一輝(にしの・かずき)/経営・組織戦略コンサルタント。大学卒業後、大手出版社に入社。ビジネス関連の編集・企画に関わる。現在は独立して事務所を設立。経営者、専門家など2000名以上に取材を行ってきた経験を生かして、人材育成や組織開発の支援を行っている。