小川明子さん(左)と小川淳也衆院議員(写真右/撮影:写真部・掛祥葉子)
小川明子さん(左)と小川淳也衆院議員(写真右/撮影:写真部・掛祥葉子)
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 新型コロナ感染者が急増する未曽有の事態にあっても国会が開かれない、異常な夏。現役の衆議院議員を追ったドキュメンタリー映画『なぜ君は総理大臣になれないのか』が大ヒットしている。8月1日には劇場上映中としては異例のオンライン上映会も開かれ、ネット上でも大きな話題を集めた。

 AERA dot.に寄稿した、大島新監督と“主役”の小川淳也衆議院議員のインタビュー(前編後編)を読んだ方々から「映画でのご家族の姿に胸打たれ、インタビューでの娘さんの話に涙した」、「いまだに家族総出で応援する選挙風景に驚いたが、家族はどう思ってるのか?」といった、ご家族に関する感想や質問をたくさんいただいた。そこで今回はスピンオフ・インタビュー。小川議員の妻で、地元香川県に住む明子さん(49)に、オンライン会議システム「zoom」をつないでお話を伺ってみた。(インタビュアー/ライター・和田静香)

――小川議員ご自身は映画は未見だそうですが、明子さんはご覧になりましたか?

 淳也さんと一緒に見た方がいいのかな? と思いましたけど、香川で大きな画面で見られるうちに見た方がいいだろうと、一人で見てきました。自分たちのことなので、そのまま等身大に映してくださったなという印象でした。

――映画は17年間にわたって撮影されています。長い期間撮られることをどう感じましたか?

 初出馬のときにお話をいただいて、選挙自体が初めてでバタバタの中、メディアの方まで受け入れるのは無理だろうと思ったんですけど、ある方に『これから公の世界に入っていくなら受けるべきだ』と言われたんです。最初はカメラを意識してしまったんですが、選挙の右も左もわからなくて目の前のことで必死。カメラは選挙事務所に入り込んで密着していて、どこで撮ってらっしゃるのかも分からないから、早々にこれはもうとり作れないと覚悟ができましたね。

 映画の撮影は小川議員が初出馬する2003年から始まる。監督の大島新さんの妻が、明子さんと小川議員の高校の同級生で、明子さんとは「高3で同じクラス」だったそうだ。大島監督が妻から「高校で一緒だった小川くんって子が選挙に出るんやって。あっちゃん(明子さん)は大反対したみたい」と聞いて興味を抱き、撮影を始めた。そう、明子さんは議員になることに最初、猛反対していたのだ。

――出馬には反対だったんですね。

 初出馬する2年半前ぐらいにそういう気持ちを聞いたんです。当時は官僚として働いていて、東京で働くときと、出向でいろいろな県で働く機会があって、東京のときは帰りが午前3時とかむちゃくちゃ激務で過労死するんじゃないか? というぐらいでした。だから、官僚を辞めるという点では『いいよ』って思っていました。同時期に愛知県春日井市に出向になって、そこに2年間いたんですけど、その間も彼はずっと悩むというか、考えていましたね。『家族を説得するのに2年間ぐらいかかった』と言ってますが、確かにそうだったんですけど、彼自身も『やるか、やらんかな』という自問自答があったんじゃないかと思います。やっぱり勇気がいることだと思うので。

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