セクシー系だけでなく、アイドル系のイ・ボミらも丈の短いスカートを履くことの影響もあるのか、黄金、プラチナ世代には、積極的にミニスカートでプレーする選手が少なくない。渋野日向子はロングパンツのスタイルが多いが、今季ツアーチャンピオンシップリコーカップに勝ち、公式戦2勝を挙げた原英莉花はパンツもスカートも履きこなす。173cmの長身とクールな顔立ちにモノトーンなコーディネートが似合い、ミニスカートは手足の長さを強調し、魅力のひとつになっている。
ベテラン勢でも、ファッションセンスに定評のある上田桃子は、ショートパンツが最も似合うプロと呼ばれている。また、渡邉彩香のアスリート系タイトミニは、彼女の豪快なスイングとリンクし、人気に相乗効果を生み出している。
ミニスカートやタイトウェアだけでなく、アクセサリーでもパーソナリティーを表現している。サングラスやピアス・イヤリングもそうだが、ポニーテールにリボンを付けプレーする選手も数多くなった。キム・ハヌルをはじめ韓国勢もよく付けているが、黄金世代では河本結や臼井麗香。特に河本結は、ウェアとコーディネートされたリボンにスポンサーロゴも入り、今季から米ツアーに挑戦しているチャレンジ精神とともに彼女のトレードマークになっている。
歴史をさかのぼると(文献に残る)最初の女性ゴルファーは16世紀のスコットランド女王、メアリー・ステュアートと言われている。しかしメアリー女王の時代から20世紀の半ばまで、女性ゴルファーが着ていたチューダー朝のドレスやコルセット、ロングスカートはまったく機能的ではなかった。
女性やゴルフに対する保守的な考え方もあり、女性のゴルフウェアが変化するのは1970年代になってから。世界を席巻したローラ・ボー、日本においても樋口久子(現JLPGA相談役)など、ミニスカートをゴルフに持ち込み人気を博した女子プロはいた。しかし、現在のような機能性とファッション性を兼ね備えたウェアにはほど遠かった。
ツアーが興行として成長し、ゴルフの競技性が高まることで、ウェアがスポーツに適した形に変化していくのは、他の競技同様必然である。ミニスカートやタイトフィットウェアが主流になってきたのもその一部とも言える。加えて、他のスポーツに比べ制約が少ないゴルフのユニフォームは、プロとしてアピールの手段でもある。黄金、プラチナなどフレッシュな感性を持った世代がツアーの主役になったことで、また新たなゴルフウェアのトレンドが生み出されるのかもしれない。(文・小崎仁久)