40年にわたり、生放送生活を送ってきた安藤優子さん。作家・林真理子さんとの対談では、ジャーナリズムやメディアの在り方を語り合いました。
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林:安藤さん、9月に「直撃LIVE グッディ!」が終わって、フジテレビの生放送生活にピリオドを打たれたんですね。おやめになった後、政界に打って出るんじゃないかと言われてますけど、どうなんですか。
安藤:いや、ないですよ。すごいストレートに聞きますね(笑)。
林:都知事選に出るとか。
安藤:それ、毎回言われます。自民党が世論調査して「イマイチだな」とか言われると、「頼んでないよ」っていつも思う(笑)。
林:でも、世の中は「小池さんに対抗できるのは安藤さんしかいない」ってみなさん思ってるんじゃないですか。
安藤:私が都知事選に出ることはないと思いますけど、なんで「テレビをやらないんだったら政治」ってなるんですかね。ただ私、実は去年博士号を取ったんですよ。研究のテーマが「女性議員」なんです。だからかな。
林:ハーバード大学の大学院の入学試験に受かったのに、行けなかったんですよね。
安藤:ハーバードのHKS(ケネディスクール=公共政策大学院)に受かってたんですけど、フジテレビの担当の偉い人が、「ニュースをやめて行くなら、俺を殺してから行け」と言ったので、それならと上智大学の大学院に行ったんです。
林:それで博士号を?
安藤:最初、修士を取って、それから博士号。
林:じゃ、どこでも教えることができるんでしょう? 安藤さんなら「大学でジャーナリスト論を教えてほしい」というリクエスト、いっぱいあるんじゃないですか。
安藤:うーん、自分でも考えあぐねてるんです。教えることなんてできるのかなと思って。
林:第一線で活躍してる人の話を聞くって、学生さんにとってはすごく貴重なことだと思いますよ。
安藤:フジテレビでも新人のアナウンサー研修とか記者研修をやってたんですけど、新人のアナウンサーとか記者たちって、すごく勢い込んで入ってくるんですよ。その気持ちは尊いと思うんですが、「テレビはこうあるべき」とか「ジャーナリスト論はこうだ」とか、すごく頭でっかちになってるんで、やるならできる限り実践的なところから話をしたいなと思います。