監督 ジェームズ・マーシュ/15日からTOHOシネマズ シャンテほか全国順次公開/ 108分(c) 2018 / STUDIOCANAL S.A.S. ーAll Rights reserved
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監督 ジェームズ・マーシュ/15日からTOHOシネマズ シャンテほか全国順次公開/ 108分(c) 2018 / STUDIOCANAL S.A.S. ーAll Rights reserved
監督 ジェームズ・マーシュ/15日からTOHOシネマズ シャンテほか全国順次公開/ 108分(c) 2018 / STUDIOCANAL S.A.S. ーAll Rights reserved
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監督 ジェームズ・マーシュ/15日からTOHOシネマズ シャンテほか全国順次公開/ 108分(c) 2018 / STUDIOCANAL S.A.S. ーAll Rights reserved

 2015年にハットンガーデンから1400万ポンド(約25億円)相当の宝石や現金が盗まれた事件を映画化した本作「キング・オブ・シーヴズ」。監督は「博士と彼女のセオリー」のマーシュ。出演はほかに「ハリー・ポッター」シリーズのマイケル・ガンボン。

【映画「キング・オブ・シーヴズ」の場面カットはこちら】

 かつて「泥棒の王」と呼ばれたブライアン(マイケル・ケイン)。一度は裏社会から引退し、愛する妻と平穏な生活を送っていたが、妻が急逝したことをきっかけに、かつての犯罪にまみれた自分が呼び起こされることになる。

 知人のバジル(チャーリー・コックス)からロンドン随一の宝飾店街“ハットンガーデン”での大掛かりな窃盗計画を持ち掛けられ、テリー(ジム・ブロードベント)、ケニー(トム・コートネイ)、ダニー(レイ・ウィンストン)、カール(ポール・ホワイトハウス)ら、かつての悪友たちを集め、平均年齢60歳オーバーの窃盗団を結成。綿密な計画のもとに実行日を迎えようとしたとき、突然ブライアンは計画から抜けると言いだす。

本作に対する映画評論家らの意見は?(★4つで満点)

■渡辺祥子(映画評論家)
評価:★★★
老優たちがスーツ姿で揃い踏みの写真を見ただけでワクワクしたが、盗みの爽快感が楽しめるのは一瞬。いくら実話がモデルでも、もう少し華のある面白い見せ方はなかったのか。犯罪映画はやはり楽しくなくちゃね。

■大場正明(映画評論家)
評価:★★★
英国映画を彩ってきた渋い俳優が勢揃い。監督が目指したのは、痛快な娯楽ではなく老いの悲哀が滲む人間臭いドラマ。温厚キャラのブロードベントにキレる男を、名優ガンボンにずぼらな男を演じさせる配役が憎い。

■LiLiCo(映画コメンテーター)
評価:★★★
強盗ものにありがちな早い展開はないけど、それは主人公がオジサンだから。でもその代わりにオジサンならではの笑いとおトボけとお茶目さがあって、会話も楽しい。このキャストを同じスクリーンに見られるとは驚き!

■わたなべりんたろう(映画ライター)
評価:★★★★
マイケル・ケインが「狙撃者」「ミニミニ大作戦」の英犯罪映画に戻ってきたのが嬉しい。実力派俳優たちのアンサンブルと皮肉だらけの会話が実に楽しく、初めから出来の良いB級映画を目指したような趣も楽しめる快作!

(構成/長沢明[+code])

週刊朝日  2021年1月22日号