そして、飯塚被告はこの2年、どういう気持ちで過ごしてきたのか?自分のことと相手のこと、どっちのことを考えている時間が長かったのだろうか?
後者だと思いたいが。期待は出来ないと思ってしまう。
松永さんは、事故で家族を奪われたにも関わらず、その先もずっと、心に釘を何度も何度も刺されている。
裁判の結果はどうなるかはわからないが、やはり、「旧通産省だから」と思ってしまう人も少なくないと思う。
当たり前の日常はある日突然奪われてしまう時がある。だけど、奪ってしまった側の態度や気持ちによっては、そのあとも、ずっと、被害者の家族から大切なものを奪い続けていくのだということを、強く感じた。
だから、この先の発言や裁判の結果で、傷つけたり何かを奪うことがないことを本当に願っています。
■鈴木おさむ(すずき・おさむ)/放送作家。1972年生まれ。19歳で放送作家デビュー。映画・ドラマの脚本、エッセイや小説の執筆、ラジオパーソナリティー、舞台の作・演出など多岐にわたり活躍。パパ目線の育児記録「ママにはなれないパパ」(マガジンハウス)が好評発売中。バブル期入社の50代の部長の悲哀を描く16コマ漫画「ティラノ部長」の原作を担当し、毎週金曜に自身のインスタグラムで公開中。YOASOBI「ハルカ」の原作「月王子」を書籍化したイラスト小説「ハルカと月の王子様」が好評発売中