7回目のW杯出場で通算6勝目を挙げた日本だが、逆転での勝利は初めて。後半巻き返せた裏には、これまで「リスクを冒さない」「選手交代のタイミングが遅い」などと保守的と言われ続けてきた森保一監督の大胆な采配も見逃せない。
4バックでスタートした日本は、0-1で折り返した後半頭からMF久保建英(21)に代えてDF冨安健洋(24)を入れて3バックに。左右のウイングバックとなった長友佑都(36)と酒井宏樹(32)を含め、中央には冨安、吉田麻也(34)、板倉滉(25)とDF登録の5人が並び、まずは守備を安定させた。
■3-4-2-1への変更
そのうえで、後半12分に長友とFW前田大然(25)を下げて、三笘と浅野を投入。同26分にはMF田中碧(24)に代えて堂安、同30分には酒井に代えて南野と次々に攻撃的な選手をピッチに送り出すことで流れを手繰り寄せた。
布陣が4-2-3-1から3-4-2-1へと変わるなか、選手が代わるだけでなく、選手の役割も変わった。たとえば、トップ下で先発したMF鎌田大地(26)はトップ下からボランチへ、右MFの伊東純也(29)はシャドーストライカー、右ウイングバックと2度もポジションを変えた。これまで見たことのなかった“超攻撃的”布陣に、ドイツが混乱したとしても不思議ではない。
長友に代わって左ウイングバックのポジションに入った三笘は、「まさか後半の頭から3バックをやるとは思っていなかった」と大胆な布陣の変更に驚きつつもこう話した。
「正直、ぶっつけ本番のところはあったけど、決断した監督がすばらしい」
投入直後こそ攻撃が売りの三笘は守備に回るなど不安も見られたが、最終的には低い位置から前線に上がって仕掛けることで攻撃に厚みが出て同点ゴールにつながった。
■「前半のままなら後悔」
「前半は相手をリスペクトしすぎてしまった。後半は、負けているなか布陣を変えたことがハマり、相手が嫌がっていると感じた」