漫画家&TVウォッチャーのカトリーヌあやこ氏が、「古見さんは、コミュ症です。」(NHK総合 月曜22:45~)をウォッチした。
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「コミュ症」とは、コミュニケーションが苦手なこと。重度の人見知りみたいなものだ。高校1年の古見硝子(こみしょうこ=池田エライザ)はかなりなコミュ症。
会話はおろか、めったに声を発することもできない。そんな彼女が出会った同級生、只野仁人(増田貴久)。特命係長只野仁(高橋克典)ではない。
只野仁のようにエッチの最中「フン! フン! フン!」などと言ったりしない。むしろみじんもエッチを感じさせない人畜無害で無味無臭な「ただのひとひと」なのだ。
だからこそ古見さんは心を開いた。放課後の誰もいない教室、彼女はやおら黒板に書く。
「私はフツーではありません」。左利きのエライザが書き出す文字は、それだけで何か不思議だ。
古見さんは美少女。ゆえに周囲は彼女を特別視する。しかし当の本人は、その距離感をマイナス方向に受け止める。
「声をかけたい、話しかけたい。でも会話が続かなかったらどうしよう、どうしよう、どうしよう」
黒板を埋め尽くす彼女の言葉を、黒板消しで止める只野。彼は古見さんの1人目の友達となる。
もうみんなほんとにピュアなのよ。アゲアゲのガングロ・マンバギャルだけど、「みんなとお弁当食べたい」と言い出せない万場木(吉川愛)。あえてヤンキースタイルでツッパっているけれど、気の小ささから只野に話しかけられない片居(溝端淳平)。この壊れやすきガラスのハートの10代よ。