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 投開票まで戦後最短となる衆院選。選挙の情勢はどうなのか、有権者は何を基準に投票すればいいのか。AERA 2021年11月1日号は、政治評論家の有馬晴海さんに聞いた。

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 今回の選挙について、岸田文雄首相はコロナ後を見据えた「未来選択選挙」と呼びかけました。経済対策など耳ざわりのいい言葉が並びますが、例えば岸田氏が総裁選で掲げた「令和版所得倍増」の言葉は、蓋を開けてみれば自民党の衆院選公約からなくなっていた。

 経済再生担当相からは「文字通りの所得倍増というものを指し示しているものではない」と説明がありましたが、ならば最初から言わなければいいのにという思いです。

 一方で、政権交代も厳しいと見ています。野党共闘の掛け声は盛んですが、自民党に対抗するだけの議席を取れるかは不透明です。菅義偉前首相のまま選挙に入っていれば、70ほど議席を落とすと予測されていましたが、岸田氏へのご祝儀を考慮すれば議席減は40ぐらいにとどまるでしょう。野党に諦めのムードがあるとまでは言いませんが、菅政権時ほどの力みはありません。

 解散から投開票まで17日間という戦後最短の選挙戦です。わずかな期間で信頼できる政治家を見極めるのは至難の業ですが、未来に何をしてくれるのかではなく、過去に何をしてきたかを判断することが重要です。

(構成/編集部・福井しほ)

AERA 2021年11月1日号