AERA2022年9月12日号
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■気持ちに正直にいよう

――NCT 127はデビュー6周年を迎えた。9月16日にリリースする4枚目のフルアルバム「2 Baddies」には、グループの意識の変化が反映されているという。

YUTA:これまではメンバーと「どの作品でも1位を取ろう」という気持ちで活動してきたんですが、「2 Baddies」は、「そろそろ余裕を持って、自分たちが歩いてきた道を振り返った時に何かひとつしっかりとした形を感じられるような作品になったらそれでいいじゃん」という話をした上で作りました。少し肩の力が抜けたというか。ただ、経験を重ねたことで自分たちが一番かっこいいと思う気持ちは強くなっています。何事も経験が大事ですよね。

――自身の性格にも変化があった。

YUTA:以前は、インタビューや親しい人の前ですら、自分をさらけ出せない部分がありました。けれども、最近は自分に正直になる努力をしています。振り返ると子どもの頃から本音はあまり言わないタイプだったかもしれません。どこか自分を作っている部分もあったのかな。でもいまは、落ち込む時もあれば上がっている時もある、そんな自分の気持ちに正直にいようと思っています。

 振付師兼ダンサーの仲宗根梨乃さんと出会ったことが、僕にとってある意味ターニングポイントになりました。

■流行りにとらわれない

YUTA:ファーストコンサートもセカンドコンサートもご一緒させていただいたんですが、よく「君たちはひとりひとり違った色を持っている、ヒーローなんだよ」ということを言ってくれて、その言葉が本当に力になりました。先輩方と比べてしまったり、自分を否定してしまったりすることもあったんですが、梨乃さんのおかげで「自分には可能性があるんだ」と思えたんです。

――これから、どんなアーティストを目指すのだろうか。

YUTA:流行りや形だけにはとらわれたくはない。自分が歌う曲の言葉ひとつひとつにきちんと意味を見いだした上で表現していきたいですね。自分自身が考えて感じて作っていくことが一番いい形なんだろうなと考えています。やっぱり、一番かっこいいアーティストになりたいですね。

(ライター・小松香里)

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