
「加速度センサーやGPS、画像処理などを組み合わせ、危険運転のシーンだけを検知できるようにしています」(岡田さん)
■優しい運転に変わる
ドライバーには運転の分析結果が毎週メールで届く。それを見て、いつどこで危険な運転をしてしまったのか、地図と映像で振り返ることができる。
同社が2018年にトラックやタクシー数百台を対象に行った実証実験では、トラックの事故率は、過去5年の平均と比べて48%減らせたという。
現在は国際エクスプレス輸送のDHLジャパンが集配や営業車全てに導入するなど、全国で計3万台超の車両に搭載されている。それらの導入企業からは「安全運転への取り組みのPDCAを目に見える形で回すことができる」「全体として優しい運転に変わった」といった声があるという。
一般的なドライブレコーダーやデジタルタコグラフ(運行記録計)を活用した従来の運転指導は、企業にとって負荷の大きいものだった。というのも、対象車両を選定してドラレコからSDカードを抜き取り、データや映像を人の目で確認して指導内容を整理する必要がある。数百人規模のドライバーを抱えている企業であれば、業務量は膨大になってしまうからだ。それがドライブチャートなら、スマホのアプリからドライバー各自が振り返ることができ、管理者にとっても、運転状況の把握や指導の負担が軽減される。(編集部・高橋有紀)
※AERA 2022年4月11日号より抜粋

