ひとりになりたい時や考え事をしたい時は、サウナへ行く。睡眠時間を削って動画を作っていた時もあったが、メンタルの不調を経験してから、睡眠時間や休日を確保し、生活を整えるようになった(写真=張溢文)
ひとりになりたい時や考え事をしたい時は、サウナへ行く。睡眠時間を削って動画を作っていた時もあったが、メンタルの不調を経験してから、睡眠時間や休日を確保し、生活を整えるようになった(写真=張溢文)

「つまり私はモテたいんだ!」

 自分の行動欲求の根底には常に「モテ」がある。それに気付いてからは常に「モテ」を軸に行動するようになった。 

 ツイッターに「モテるために生きてる」と宣言、16年1月にはインスタグラムのアカウントを開設した。すると本人にとっても意外なことに、今まで男性フォロワーが中心だったアカウントを、女性たちがこぞってフォローするように。半年後、フォロワーの男女比率が半々になると、自分自身のキャラを再設定することにした。

 それまでの配信は、「今日はこんなご飯食べました」「私服はこんな感じ」と、主に男性にアピールする内容だった。しかし、女の子の支持が高くなったことで、「モテたい女の子たちにファッションやメイクを発信する『歩く情報メディア』」へと、路線を転換。「最強モテメイクはこれ!」「トップスをデコラティブにするとデート向きになる」など、より具体的な服装やメイクの提案に加え、「デートの時の髪形は、あまり手を掛けてません、みたいな抜け感も大事」と、あざといテクニックも伝えるようになった。

 過去にさんざんアンチコメントに傷つけられた経験から、「ポジティブなことだけを投稿する」とも決めた。

「心に余裕がない時にSNSで攻撃されると、つい反論して戦わなければと思ってしまう。でもアンチを『かわいそうな人』と受け流し、『ニッチでポップでキャッチー』なゆうこすを発信するようになって、応援してくれるフォロワーさんが増えました」

「ゆうこすちゃんみたいになりたい」と憧れて動画配信を始め、現在「321」所属のライバーとして活動するいまのゆい(27)も、この時期からのフォロワーの一人だ。

「とにかく『モテるために生きてる』という投稿のインパクトが強かった。モテたい気持ちは自分にもある。同年代でこんなに堂々と、愛されたい気持ちを表現している人がいるんだと、すごく心に刺さりました」

「モテクリエイター」ゆうこすの誕生とともに、逃げてばかりの人生からの逆襲が始まった。

(文中敬称略)(文・有馬知子)

 ※記事の続きは「AERA 2022年5月2-9日合併号」でご覧いただけます。

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