
だが、多忙な清子さんが、「皇女」として再び、公務を担う可能性はあるのか。
「ご研究を続けてゆけるかという点もそうですが問題は、伊勢神宮の祭主の務めとの兼ね合いでしょう」(先の皇室ジャーナリスト)
清子さんは2017年に、三重県伊勢市にある伊勢神宮の祭主に、天皇陛下の長女・黒田清子に就任した。祭主は天皇に代わり、伊勢神宮の祭事をつかさどる。皇族か元皇族が務めるのが習わしで、昭和天皇の四女、池田厚子さんより引き継いだ。祭主は、毎年5つの祭に奉仕する。五穀豊穣を祈る2月の「祈年祭」(きねんさい)、6月と12月の「月次祭(つきなみさい)」、10月の10月の神嘗祭(かんなめさい)、11月の新嘗祭(にいなめさい)だ。

祭主の務めは、想像以上に過酷だ。前日から、禊(みそぎ)のために泊まりこみ、食事も牛や豚などの肉を避けて祭典に備える。当日は、浅沓(あさぐつ)を履き、白衣と緋袴(ひばかま)・小袿(こうちぎ)といった古式装束で臨む。装束で奉仕を務めるだけでも大変だが、6月と12月の月次祭は、3日間も続く。
祭主として東京との往復生活に研究活動、さらに公務を手伝うとなれば、多忙な生活に拍車がかかる。宮内庁のOBは、こうつぶやく。
「いまのご生活を考えると、難しいかもしれません。でも、あの『紀宮さま』の、公務をもういちど、拝見したいと、期待してしまいますよね」
