ジョン・レノンの生誕80周年にあたる今年、オノ・ヨーコとの歩みに触れられるイベント「DOUBLE FANTASY−John & Yoko」が東京で開かれている。出会いから始まる二人の「ストーリー」は、いまも強く、美しい。AERA 2020年11月23日号では、輝き続けるジョンとヨーコの二人の足跡を貴重な写真とともにたどった。
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天井に取り付けられた額縁に、そこからぶら下がる虫眼鏡。その下には白い脚立。上に立って額縁に虫眼鏡をあててみると、3文字のアルファベットが見える。
「YES」
これは、前衛芸術家のオノ・ヨーコが1966年11月、英ロンドンのインディカ・ギャラリーで開いた個展で発表した作品「天井の絵」。ビートルズとして最初で最後となった日本公演の約4カ月後、ジョン・レノンはそんな個性的な作品に触れた。非難も含めて、世界中の人たちから注目を浴びることになる男女の出会いの瞬間だった。
■100点超える展示品
ソニーミュージック六本木ミュージアム(東京都港区)で、二人が歩んだ足跡を紹介する企画展「DOUBLE FANTASY−John & Yoko」(ソニー・ミュージックエンタテインメント、ソニー・ミュージックレーベルズ主催)が開催されている。2018~19年に英リバプールで開かれ、米ニューヨークでジョンが射殺されてから40年、生きていれば傘寿の節目となる今年、東京での開催となった。
会場には、ビートルズ時代も含めたジョンの手書きの歌詞など、100点を超えるゆかりの展示品が披露されている。冒頭の「天井の絵」もその一つ。時系列で、その時々の二人の言葉とともに足跡をたどることができる。
会場で確認できるその二人の言葉を拾いながら、茨城大学で人気講義「ビートルズと1960年代アメリカ」を担当する君塚淳一教授(米国60年代ポップカルチャー)と一緒に回った。