竹増貞信/2014年にローソン副社長に就任。16年6月から代表取締役社長
竹増貞信/2014年にローソン副社長に就任。16年6月から代表取締役社長
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「コンビニ百里の道をゆく」は、53歳のローソン社長、竹増貞信さんの連載です。経営者のあり方やコンビニの今後について模索する日々をつづります。

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 サッカーのワールドカップ(W杯)、素晴らしかったですね。日本代表の戦いにも感動しました。

 1次リーグはドイツ、スペインがいる「死の組」でしたが、撃破しての1位通過。初戦でドイツに勝った興奮状態の中、コスタリカに負けたことで代表の皆さんも逆に地に足がつき、チャレンジャーに戻ってスペイン戦を迎えられたのでは、と想像しました。

 決勝トーナメントのクロアチア戦もPKで敗れましたが公式記録は引き分けです。1998年からW杯に出続け、ベスト8をかけた試合で引き分けるところまで来た。ネイマールと日本選手が競り合う姿を見たかったので残念な気持ちはありますが、本当に凄いチームだったと思います。

 その活躍に日本中が沸き返ったことはローソン商品の販売状況にもよく表れていました。初戦のドイツ戦は、皆さん準備万全。前週の同じ曜日と比較して、「パック入りの梅酒」は約5割伸び、4個入りボックスの「Lチキ」「パリチキ」も大きく伸長するなど、家でゆっくり観戦された方が多かったことがうかがえます。コスタリカ戦は休日の19時キックオフということでここはパーティー需要。「からあげクン」や「ペーパーウェア(紙皿・紙コップ)」の販売が好調でした。

クロアチアにPK戦で敗れ、サポーターにあいさつして引きあげる吉田麻也ら日本代表の選手たち
クロアチアにPK戦で敗れ、サポーターにあいさつして引きあげる吉田麻也ら日本代表の選手たち

 3戦目のスペイン戦は午前4時キックオフ。ここでは高級ビールとインスタントコーヒーの販売がともに約3割増。高級ビールを飲みながら試合開始を待たれた方や、コーヒーで眠気をおさえながら朝4時を迎えた方もいたかもしれませんね。

 ブラジルなど優勝候補のチームを見ていると、決して横綱相撲ではなく、ゴールと勝利に貪欲であることが伝わってきます。日本代表チームもブラジルの貪欲さを超えるようなチャレンジャー精神で、次のW杯に向けて戦い続けてほしいと期待します。

竹増貞信(たけます・さだのぶ)/1969年、大阪府生まれ。大阪大学経済学部卒業後、三菱商事に入社。2014年にローソン副社長に就任。16年6月から代表取締役社長