先週末、沖縄気象台と鹿児島地方気象台は、沖縄・奄美が梅雨入りしたとみられると発表しました。天候の不順は農作物に影響を与えるため、これから夏野菜の最盛期を迎えるにあたって、天気予報にも注視していきたいものです。
先月は原料のジャガイモ不足によるポテトチップス減産のニュースが報道されたばかりですが、今月下旬から九州産ジャガイモの出荷がピークを迎え、秋までに北海道へと出荷前線が北上します。それにともないジャガイモ不足も徐々に解消される見込みです。
野菜の代表格であるジャガイモは、これからが旬。新ジャガでしか味わえないみずみずしい食感を楽しみましょう。
ジャガイモ不足の要因
ジャガイモ不足による生産休止に追い込まれていたポテトチップスですが、農林水産省によると「5月下旬に収穫が本格的にはじまる九州地方を皮切りに、各産地が収穫のピークを迎え、8月には主要産地である北海道での収穫が始まる」とのこと。今月に入り、お菓子メーカー各社が「天候等に大きな混乱がなければ、9月にはポテトチップの生産・流通量も通常どおりにもどる」と発表しました。
そもそも現在、不足しているジャガイモは去年の秋口に収穫予定だったもの。国内生産量の8割を占める北海道で、昨夏、複数の台風に見舞われ、ジャガイモの収穫量が減少したためです。スーパーなどでは一年中目にするジャガイモですが、一体いつが収穫のピークなのでしょうか? ジャガイモの収穫期に関するお話をしましょう。
ジャガイモの収穫期
ジャガイモは植え付けから3ヵ月程度で収穫が可能なため、1年に2(〜3)回収穫ができます。ジャガイモの旬は5〜6月の初夏と、9〜11月の秋であり、産地によって収穫時期が異なります。
●北海道は春植えがメイン
春に植え付けて、夏の終わりから秋にかけて収穫する。
●九州は二期作が主流
秋に植え付けて、冬に収穫する。
冬に植え付けて、春に収穫する。
平均的な気温である関東近郊では、2月下旬〜3月に植え付けを行い、5〜6月に収穫期を迎えます。
①産地によって収穫時期が異なる。②貯蔵がきく。よって一年中手に入れることができます。
収穫後すぐに出荷される春先のジャガイモは「新ジャガ」と呼ばれ、皮ごと食べられ、みずみずしい食感が特徴です。
意外と知らないジャガイモトリビア
ジャガイモは身近な野菜ですが、あまり知られていない小ネタをご紹介します。食卓の話題にしてみてくださいね。
◎正式名称は“ジャガタラ芋”!?
ジャガイモは「ジャガタライモ」と呼ばれていました。これは、江戸時代にジャガトラ(現、インドネシアのジャカルタ)からオランダ船によって渡来したことが由来です(※諸説あります)。
◎別名“二度芋” “三度芋”と呼ばれる!?
1年に2〜3回収穫できるためそう呼ばれることも。
◎ジャガイモはナスの仲間!?
ナス科の植物です。ジャガイモの花はナス、トマト、ピーマンなどとよく似ています。
ナス科の植物は連作を嫌うため、家庭で栽培する際は注意が必要です。
◎ジャガイモは食糧危機を救う!?
ジャガイモには世界各国の食糧危機を救ってきたという歴史があります。近年、国連でも発展途上国における食糧としてジャガイモの重要性が認められ、2008年「国際ポテト年」が宣言されました。
── いま手に入る“新ジャガ”は、皮ごと食べらます。よく洗って、フライにしたり、レンジでチンしてジャガバターにしたり……。旬ならではのみずみずしい食感と香りを楽しみましょう。