
無限に続く地下道を歩き、次々に起きる“異変”を見つけながら8番出口から外に出ることを目指す“異変”探しゲーム「8番出口」。その実写化となる同名映画で、「迷う男」を演じた二宮和也さんにとっての「出口」とは──。AERA 2025年8月25日号より。
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──「8番出口」同様、「正解かどうかはわからないけど、信じた道を進まなくてはいけない」こともある。自分の道を正解にするために、心がけていることはあるのだろうか。
一生懸命、全力でやった結果は、自分が最初に受け止める。自分が想像しているよりもいい結果が出たときは、「みなさんのおかげです」で、それ以下の結果が出たときはきちんと額面通りに受け止める容量を、常に持っておこうとは思っています。
振り返れば、お芝居もしたことない、何もしたことない人間のために、100人以上の大人が全力でサポートしてくれて、ただ立っているだけでお芝居をしているように見せてくれた、そんなスタートでした。その感謝はずっと残っているので、今も自然にそう思うんじゃないかな。
──大切にしている「変わらない軸」もある。
「とにかく楽しんでやる」こと。僕らは仕事の成果というものが世の中に出て、評価していただける。それがやりがいにも通じるし、いい仕事だなとは思いますが、やっぱり自分が楽しんでやらないとアベレージが保てない。仕事というのは何でも大変ですから、せっかくやるんであれば「つらい、つらい」「眠い、眠い」で働くよりは、楽しんで働いた方が精神衛生上もいいですしね。現場でも「楽しめる」というスイッチを一つ持って、切り替えながら作品と向き合うようにしています。
軽さを持っていたい
──それでも「出口が見えない」と感じるときはどう対処してきたのだろう。
でもそういうときって、途中から妙に客観視するというか、最悪もう「出られなくてもいいか」と思いながら過ごすことの方が多いかもしれませんね。連続ドラマ、特に「VIVANT」をやっていたときは、本当に終わらないんじゃないかと思ったし、“遺作”みたいな感覚でやっていましたけど(笑)。あとから結果はついてきてくれるだろうと信じながら淡々と過ごす。そう思ってないと、やっていられないのもありますけど(笑)。