
都議選で自民党が大敗した。今回の都議選は12年に一度、参院選と近い時期に実施されるため、国政選挙と直結する。その選挙で議席を10以上減らしてボロ負けとなった自民党幹部は、こう話す。
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「議席は減らすと思っていたが、ここまでとは思わなかった。惨敗と言っていい。参院選はさらに減らす可能性がある。小泉進次郎農水大臣の『小泉米』の効果もすっかり薄れてしまった。小池知事の都民ファーストが大幅に増やし、国民民主党も議席を得たが、小池氏と国民民主党は関係が深い。参院選で小池氏が、国民民主党の支援にまわる可能性もある。参院選も過半数を割れば、衆院でも少数与党で、政権交代が突きつけられる」
一方、議席を4増やし17議席に伸ばした立憲民主党の幹部は力がこもる。
「増えたのでほっとしている。国政で内閣不信任案を出さなかったことへの批判が影響するかと心配していたが、さほどなかった。確実な支持層があることが都議選ではっきりしたので、参院選でも議席増といきたい」
国民民主は「山尾ショックが響いた」
国民民主党は、これまで議席がなかったが、9議席獲得。ただ、18人を公認し、選挙前には10人以上当選するという情勢調査もあっただけに、同党幹部は喜びも半分。
「山尾ショックが響いている。なんとか、参院選までは勢いよくと期待していたが。それでも議席のなかった都議会で議席を獲得できたのは大きい」
政治評論家の田村重信氏はこう話す。
「自民党の大物がどんどん応援に入ってもボロ負け。石破首相の入った2つの選挙区も確実に勝てる候補者のところだった。ここまで負けると、自民党は参院選でかなり厳しいでしょう。参院選の公約とした、現金給付が支持されていない証明です。ただ第1会派になった都民ファーストと自民党の支持層は重なるので、参院選で都民ファーストの票が流れればという期待はできるかな」
(編集部・今西憲之)
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