
先日、私がパーソナリティーを務めるラジオ番組「ジェーン・スー 生活は踊る」に医学博士の片野秀樹さんがゲストでいらっしゃいました。短い時間ながら休養とはなんぞやという話を端的にしてくれまして、曰く、休養には「生理的休養」「心理的休養」「社会的休養」の3種類があると。わかる!
生理的休養は、栄養、睡眠、運動による疲労回復。心理的休養は、人や動物や自然とのふれあい、娯楽による気分転換など。そして社会的休養は、肩書を外して初めて得られる癒やし。「部長」や「課長」といった会社の肩書だけではありません。「母」や「妻」、「長女」や「長男」といった役割もそうでしょう。
ですから、ゴールデンウィーク明けに疲れを感じるのは当然なのですよ。役職付きの仕事からは離れられても、妻や母としての役割をガッツリ担うことになれば、そりゃそっちで疲れますよ。
お若い方を中心に、何者でもない自分を愁う声がたくさん聞こえてきます。しかし、何者でもない自分こそが真の自由を持つ者だとも私は思うのです。何者かになるって、世の中から期待される役割をしっかり背負わされるってことだもの。
何者でもない時代は、社会的休養がしっかりとれる時代とも言えます。その自由を満喫してほしいですよね。
※AERA 2025年5月19日号
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