捨てるモノはゴミではなく“成果物”だと西崎さん。ずっと捨てられなかった紙袋も成果物に
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 片づけられないと悩む人は多い。そんな片づけを習慣化することで部屋がきれいになるだけではなく、人生までも変わる――。そう提唱するのは、大人気のお片づけ習慣化コンサルタント、西崎彩智さん。片づけるには未来を考えることが大事とも。最新刊『人生が変わる片づけの習慣 片づけられなかった36人のビフォーアフター』(朝日新聞出版)から一部を抜粋する。

【写真】ずっと取っておいた袋の中から、驚きのものが出てきたことも

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ある男子高校生の悩み

 最近は、学校などにも片づけの講座を依頼されてお話しすることがありますが、そのときにも片づけは自己選択の連続である、ということをお伝えします。

 ある有名男子校でお話ししたときのことです。

 講演終了後にある男子生徒が近づいてきて、「僕は今まで周りが決めたレールの上を歩いてきたんだと思います。だから、今将来の目標が見つからないのが悩みです」と言われてびっくりしました。親御さんにいろいろ指示される人生を送ってきて、あまり自分で選択する機会を与えられなかったのかもしれません。

 でも、それを今、自分で気づいたのは素晴らしいことだと思ったので、それを伝えました。その生徒さんはもちろん、私たちだって遅すぎることはありません。気づいたときから、小さなことから、自分で決定していけばいいんだと思います。

なりたい未来を描こう

 家の外では頑張っているけれど、家の中はぐちゃぐちゃ、という人は本当の自分を隠して生きています。こんな私はダメなんだとか、こんな汚い家に住んでいることをバレたくない、など自己肯定感も下がっていることが多いです。

 けれど、片づけをしてどんどんモノを手放していくことで、「自分は本当はこんなことを考えていたんだ」とか「こんなことをやりたかったんだ」と薄皮が剝がれるように、本来の自分に気づく人が多いです。

 思考の変化は行動の変化を生むので、最近夫とケンカしていないなとか、子どもを怒ることが減ったな、などの行動の変化から自分の思考の変化に気づく人もいます。

 片づけに共通の正解はありません。

 自分の正解を探すためには、自分自身がどうなりたいのか、という未来を描くことが大事になります。片づけるときにゴールを描かないと、自分は何のために片づけているのかわからなくなり、途中でやめてしまうのです。

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