演じる醍醐味はまだこれから
王林 私が今までやってきた歌や踊りと、ミュージカルは全く別物。「こんなにできないんだ」と思うことが多いです。チャレンジを楽しんではいますが、主演の濵田さんと神山さんの存在に助けられています。
神ちゃん(神山さん)とはバラエティーのダンス企画を一緒にやったときに、先生みたいにダンスを教えてもらったことがあります。ウーラは神ちゃんと一緒に踊るシーンが多いんですが、しっかり引っ張ってくれるので本当に心強いです。濵ちゃん(濵田さん)は緊張感のある稽古場でも、大きな声を出して明るい雰囲気に盛り上げてくれます。あと、突然不思議なことを言い出すので、元気をもらえる。難しさを感じても濵ちゃんの一言で前向きな気持ちになれて、メンタル面で安心感をくれる人です。
とてもすてきな二人と一緒にミュージカルができることがうれしいです。
――演じること自体の醍醐味は掴めてきたのだろうか。
王林 まだ感じてないんです。映画に出演させていただいたこともあるんですけど、今までの役はすべて「青森」や「津軽弁」が生きる役。今回もそういう役なので、演技の中で津軽弁を普通に使えるのが本当にうれしいなと感じています。
──「プロデューサーズ」は、“史上最低のミュージカルを作ってボロ儲けすることを夢見る二人の顛末”を描き、2001年のトニー賞で史上最多の12部門を受賞した傑作だ。作品に教えられたこととは。
王林 「失敗作を作ろう」という気持ちでブロードウェイに挑戦したら評価される。たとえ自信がなかったり期待されていなかったりしたとしても、みんなで一生懸命頑張って結果を出すというところに、自信を持って何事にも本気で挑戦することの大切さを感じました。
私自身、津軽弁に興味を持ってもらえたり、青森の良さを伝えるために、これからもいろいろなことに挑戦していきたいです。
(構成/ライター 小松香里)