天皇、皇后主催の秋の園遊会が10月30日、赤坂御苑で開かれた。今回、女性皇族は和装で、緑豊かな赤坂御苑に美しく映えた。主催者のひとりである、皇后雅子さまは帯留めやアクセサリーを控えた装いだったが、やや自由な立場の宮家の女性皇族は「らしさ」が光る柄行や小物づかいで、奥深い和装の世界を見せてくれた。
【写真】瑶子さま「金髪ピンクメッシュ」と着物の美しい調和はこちら!
***
朝から降っていた雨は昼前には止んだ。芝生も乾きはじめ、静寂に包まれた赤坂御苑の上には、青空が広がっていた。
午後1時45分ごろ、三笠山と呼ばれる丘に、天皇陛下と皇后雅子さま、秋篠宮ご夫妻、両陛下の長女の愛子さま、秋篠宮家の次女の佳子さま、常陸宮妃華子さま、寛仁親王妃信子さま、長女の彬子さま、次女の瑤子さま、高円宮妃久子さま、長女の承子さまが順番に並ばれた。
皇宮警察音楽隊による「君が代」の演奏が、赤坂御苑に響き渡った。
両陛下は石破茂内閣総理大臣、三権の長から挨拶を受けたのち、式部官長の先導で陛下と雅子さま、続けて皇族方が三笠山を降りて招待客らの方へ向かった。
一般の人が、皇族方の和装を目にするのは園遊会などのごく限られた場だ。
なかでも、一目置かれるのは華子さまだ。高齢で外に出る機会は減ったものの、和装を心待ちにするひとは多い。
金髪ピンクメッシュと和装の調和
この日も華子さまは、三笠山を降りたところで退席したが、「見事な装いでいらした」と呉服業界の関係者は話す。
お召しになったのは、銀がかった灰色を指す「銀鼠(ぎんねず)」の地に、友禅で紅葉を染め上げた訪問着。
紅葉には、手刺繍が施されて一層、艶やか。「摺箔(すりはく)」の伝統技術が用いられた本金箔の斜め取りが、友禅を豪華に輝かせていた。
華子さまがお使いの、帯を楽しみにするファンも少なくない。この日は、松葉を菱形に配した格調高い松菱文様の帯を合わせていらした。
正統派の華子さまの装いに対して、現代的な着こなしで目を引いたのが、寛仁親王の次女、瑶子さまだ。
話題を集めたのは、和装に調和したヘアスタイル。はちみつ色の金髪「ハニーブロンド」と両サイドに入れたピンクのメッシュが目を引くまとめ髪だった。10月の佐賀県訪問でも、すでにこの色味になさっていた。