2014年に、2歳になろうとする娘さんを連れて日本からスウェーデンに移住したという翻訳家の久山葉子さん一家。驚いたことの一つが、保育園や学校の持ち物がほとんどないことだと言います。スウェーデンと日本、子育てをする親の負担がどう違うのでしょうか。みんなで子育てをするスウェーデンの社会とは、その根底にあるスウェーデンの人権意識について聞きました。※前編<スウェーデンの子育て夫婦は17時に帰宅! 長期休暇中は「代理」を雇う 移住者に聞く日本との違い>はこちら
【画像】夫も「子育て熱心」なのに、夫婦ともに時間がないのはなぜ? 日本の子育ての憂鬱保育園や学校で親の負担は最小限
――娘さんが通ってきたスウェーデンの保育園や学校で、日本との違いを感じたことはありますか?
まず、保育園でも学校でも、親の負担はあまりありません。保育園時代の持ち物は、汚れた時ときの着替えと、雪遊びをしてぬれたとき用の替えの靴下くらい。日本の保育園のように、お昼寝でパジャマに着替えることもないですし、連絡帳に細かく様子を書くこともない。検温表への記入も一切なかったですね。持ち物は最低限でよくて、おむつはパッケージごと保育園に預けておけばいい。親がしないといけないことも最低限です。
そもそも保育園は、働く親のための場所だから、親の負担はなるべくないです。日本の保育園は親が参加できるイベントもいろいろあって、それはもちろんありがたかったですが、一方で、「親も先生も大変だな」という気持ちもありました。
――朝は用意に時間をかけることなく登園できるという感じなんですね。小学校はどうですか。
小学校も同じで、親が毎日子どもの持ち物の確認をすることはないですね。教科書や筆記用具類は学校からの貸し出しになっていますし、よほど使うものにこだわりがない限り、手ぶらで学校に行けます。教科書も基本的に学校においてくるよう奨励されていて、準備するものがないんです(笑)。体育のある日には運動用の服(※決まった体操服はない)くらいでしょうか。日本のように親が子どもの時間割を一緒に確認して教科書を持たせたり、鉛筆を削っているかチェックしたり、宿題のマル付けをしたりするといったことも……ないですね。
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