那須御用邸での静養から帰京した愛子さま。着用しているのは、大手アパレルメーカー「GU」で2490円で販売されたワンピースとみられるが、値段に左右されず品のある佇まいはさすが=2013年9月、東京駅、読者提供

 大学生になり、21歳の夏を迎えた愛子さまが、大人の女性を感じさせる雰囲気だったのは、装いのスタイルが大きく変わっていたからだ。

「これまでの愛子さまのワンピースの定番であった『ひざ丈』から、ふくらはぎまでのロング丈へと変わり、胸元のフリルが優美なたたずまいを醸しています」(宮田さん)

 そして何より、高校生になってから少しずつ機会が減っていたご両親との「リンクコーデ」は、ほぼ卒業したことだ。

「愛子さまのグリーンの花柄のワンピースは、ご両親とは色も柄も異なります。独立した個人として歩き出している愛子さまの選択とともに、ご成長が感じ取れる装いです」

 と宮田さんは話す。
 

2490円でも美しいたたずまい

 そして9月5日の帰京の際に愛子さまが着用していたのは、紺色の無地のリラックスしたワンピース。低価格ブランド「GU」(ジーユー)が、半袖のプリーツワンピースとして2490円で販売していた商品とみられるものだった。

 ファストファッションであっても、着こなしに品位を感じさせるのはなぜか。

 宮田さんは、「手指の置き所への配慮」だと分析する。バッグに手先を添えて両手を重ねることで、バッグと手先がぶらぶらと遊ばず、たたずまいに美しさと落ち着きが加わるという。
 

 少女の頃の愛子さまのアイコンは、「白襟とパフスリーブ」の「膝丈ワンピース」に「白いソックス」「丸いストラップシューズ」だったが、ご成長とともにたおやかな女性らしい装いへと変化していった。

 その装いのキーワードは、「愛らしさ」「初々しさ」「たおやか」「清潔感」だと、宮田さんは分析する。

「少女の時代から成人の女性となった現在まで一貫しているのは、クラシカルで時代を問わないタイムレスな装いであるということでしょう」

「クラシカル」や「レトロ」なファッションは、世界的にも注目され、往年の女優の装いが再評価されている。世の中が目まぐるしく変わる時代だからこそ、普遍的なスタイルに人の心が集まるのではないかと宮田さんは話す。

 そのスタイルと春風のような笑顔はそのままに、これからさらに成年皇族としての経験を重ね、変わっていくであろう愛子さまが楽しみだ。

(AERA dot.編集部・永井貴子)

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