⑦ 斎藤知事のパワハラは職員の限界を超えている。執務室、出張先に関係なく、自分の気に入らないことがあれば関係職員を怒鳴りつける。
知事は会見の場で、「事実無根の内容が多々含まれている」「うそ八百含めて文書を流す行為」などと否定した。しかし、この発言から約4カ月が経過したが、この間に行われたのは元局長の懲戒処分だけで、疑惑のひとつひとつについて、否定の根拠や証拠を示しての説明は行われていない。
オリックスパレードの問題(⑥)は、これが事実であれば公金の不正支出の可能性があり重大問題である。事実無根ならば、説明責任を果たして疑いを晴らす必要があるが、突きつけられた疑惑をそのまま放置してしまっている状態だ。
積み上がるパワハラ疑惑
一方で、パワハラについては、県議が行ったアンケートによって、この間に次々と事例が積み上がっている。エレベーターに乗り込む際に自動ドアが閉まりそうになったことに激怒し職員を叱責▽浴衣祭りの着替え場所が気に入らず苦言▽同じ浴衣祭りで自分だけプロの着付けを求める、などだ。ひとつひとつは取るに足らないことのように映るが、優越的地位を背景にした言動であり、事実無根などとはとても言えない。
公益通報などの観点から、県の対応にはいくつもの問題がある。
元県民局長は今年3月中旬、最初に県議や報道機関に告発文書を配布した。本人は後に「本来ならば保護権益が働く公益通報制度を活用すればよかったのですが、自浄作用が期待できない今の兵庫県では当局内部にある機関は信用できない」として、外部に告発した理由を説明している。
この告発が県の知るところとなり、同月末、県民局長職を解任され、目前に迫っていた退職も取り消されるに至り、元県民局長は4月になって県の公益通報窓口に告発文書と同様の内容で通報した。県は公益通報とは別の調査に基づいて5月、元県民局長を処分した。