2023年10月に開催された第28回釜山国際映画祭。世界中の映画人、ファンの注目が集まる一大祭典だ(写真:アフロ)
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 世界3大映画祭や米アカデミー賞で近年、アジア映画の快進撃が続く。ここでは、これから日本で公開されるインド、中国・香港、台湾、韓国の作品を中心に紹介する。その魅力に触れればあなたの知らない新しい世界の扉が開くかも。AERA 2024年4月22日号より。

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 1920年代にイギリスの植民地支配と闘う2人の若者を描き、2023年に第95回アカデミー賞歌曲賞にインド映画として初めて輝いた「RRR」。前作の「バーフバリ」2部作が世界的に大ヒットしたS・S・ラージャマウリ監督が、お金も時間も手間もかけた圧巻の超大作で、アクションやダンスのレベルがまるで違う! その衝撃は広がり続け、現在も劇場公開が続くロングランヒットになっている。

 一気に大衆化した感のあるインド映画。5月には、「タイガー 裏切りのスパイ」「PS-1 黄金の河」とアクション大作の公開が続く。どちらもハリウッド映画にも負けないスケールの激しいアクションシーンが見ものだ。

不死身の香港スター

 勢いづくアジア映画の中で、中国映画は6月、注目の若手俳優ワン・イーボーがパイロット役で主演するスカイアクション「ボーン・トゥ・フライ」が公開される。ワン・イーボーは第2次世界大戦下の中国を舞台に暗躍した、名もなきスパイたちの運命を描く「無名」にも出演。香港映画界の大スター、トニー・レオンと共演する。

 トニー・レオンのように中国に活路を見いだす香港の俳優は少なくない。かつて「東洋のハリウッド」と称された香港映画だが、2020年に「国家安全維持法」が成立して以来、自由に映画を作ることが難しくなり、映画人の海外脱出が相次いでいる。5月31日公開の「ライド・オン」は今年70歳になったジャッキー・チェンの50周年記念アクション超大作。香港スターはまだまだ“不死身”であることも印象づける。

 そんな香港映画について、大阪アジアン映画祭でプログラミング・ディレクターを務める映画評論家の暉峻(てるおか)創三さんは、こう話す。

「ここ最近新しい動きが出てきた。主に新人監督が強く打ち出していることですが、大陸の観客を優先するのではない香港人のためのローカルな香港映画が出はじめています」

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