やさぐれキャラのヒコロヒーだが、実は松竹芸能養成所に特待生として入学したお笑いエリートだ。ひとりコントを地道に量産し、ネタは200を優に超えるという。

「近畿大学の落語研究会時代に松竹芸能の関係者がネタを見て、スカウトしたそうです。養成所は授業料免除の特待生扱いだったので、鳴り物入りの超エリートだった。デビューしてからはストイックでハチャメチャなネタが多かったので、孤高の芸人というイメージが強かった。当時は音響や小道具に頼らないコントネタが得意で、単独ライブも昔から評価が高かった。コント職人という視点でいうと、友近さんやゆりやんレトリィバァさんほどの爆発力も持っています。今はやさぐれキャラとして注目されていますが、本当の面白さはまだ知られていない。昔から大喜利も得意で、大阪時代は『負けたと思ったことがない』と本人が明かすほど。今後『IPPONグランプリ』などでその才能を知らしめれば、確実に結果を残せるはずです」(前出の放送作家)

今年の「THE W」優勝候補か

 いつしか「国民的地元のツレ」というキャッチフレーズがつくまでになり、今年は初のエッセー本も出版。ユニットを組んで「M-1グランプリ」にも挑戦するなど、大躍進中だ。民放バラエティー番組のプロデューサーはこう語る。

「やさぐれキャラなのに、あのかわいい声とのギャップがいい。また、ああ見えて実はネタはしっかり構成された上質なひとりコントを量産するなど、さまざまなギャップが彼女の魅力だと思います。女芸人ナンバー1を決める『THE W』では4年連続、準決勝まで残っており、今年は決勝戦への進出も確実視されています。本人も『お茶の間のみなさんに認めていただくため、賞レースでの結果は残したい』と語っていて、ひとつでも賞レースを制すれば一気にブレークしそうです」

 お笑い評論家のラリー遠田氏も、ヒコロヒーをこう評価する。

「ヒコロヒーさんの魅力は、言葉のセンスや着眼点に独特のものがあり、どの芸人とも似ていないところ。彼女ならではの偏見や皮肉っぽい目線がネタにも生かされています。頭の中には『こういうやつはダサい』というような明確な基準があり、あらゆる表現がそれを軸にして展開されます。漫才やピン芸、トーク、演技、執筆業、イラスト・デザインなど、どんな分野の仕事をしていても、そこには彼女なりの美意識や倫理観のようなものが反映されています。表現者としての才能に秀でた人なので、今後もますます幅広いジャンルで活躍していくと思います」

 今年の「THE W」ですでに準決勝に駒を進めているヒコロヒー。ファイナリストの発表は今月末だが、果たしてどうなるか。目が離せない。

(藤原三星)

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