日本の民間宗教である神道の「神様」を祀っている神社
日本の民間宗教である神道の「神様」を祀っている神社

 あけましておめでとうございます。神社やお寺に初詣に行く人も多い年の初め。そこで手に入れたお守りや破魔矢を自宅に持ち帰って、さてどうしよう。正しい扱い方を知っていますか。今年こそ知っておきたい知識をまとめました(この記事は2019年9月18日に配信した内容の再配信です。年齢、肩書等の情報は当時のもの)。

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 日本全国には約8万8千社以上の神社があり、約6万軒あるコンビニよりも多く存在しています。日本人にとって初詣や厄除け、七五三など、神社を参拝する風習は浸透していて、困ったときやお願いごとがあるときは、つい「神様~、お願いします!」と頼りがち。いつもお世話になっている神様に、心地よく我が家にいていただく居場所を作ってみませんか?
 

お神札や御守り、破魔矢などは、どこに置く?

「ご利益があって大切に扱わなければいけないもの」とはわかってはいても、お神札(おふだ)や御守り、破魔矢(はまや)などをいただいてきたあと、案外タンスの上に置いたままだったり、玄関に立てかけておいたり、クロゼットの中にしまっている、などということはありませんか?

 お神札は神様の分身ですから、敬意を払うという意味で、明るく清潔な、目線より高い場所にお祀りすることが重要です。いくらタンスの上が高くても、埃っぽかったり暗かったりしては適しませんし、常に見守ってもらうという意味においては、引き出しや箱などにしまってはいけません。

 また、玄関周りや扉の上などは、人の出入りが激しく落ち着かない場所なので避けたほうがよいでしょう。もちろん、不浄の場所と呼ばれるトイレの中や、煙や油などで汚れやすい台所などは避けてください。

 お神札は、できるだけ人がたくさん集まるリビングルームなどに、南向き、もしくは東向きに祀ります。これは部屋の南側や東側に置く、ということではなく、お神札の正面を南や東の方角に向けるという意味ですから、実際は北側や西側の壁に設置することになります。

 破魔矢もお神札と同様に祀りますが、矢の先は下に向けることを忘れずに。御守りは、引き出しに入れっぱなしにせず、カバンや財布などに入れて肌身離さないようにしておくとよいでしょう。家に置いておくときは、お神札と同様の場所で大丈夫です。

壁にかけられる簡易神棚
壁にかけられる簡易神棚

立派な神棚でなくてもよいので、居心地の良い空間を作る

 お神札を祀る=神様の居場所を作るということ。ですから、本来は屋根のついた立派な神棚にしたいところですが、現代の住宅事情では、スペースがなかったり、リビングルームのイメージとそぐわなかったり、とハードルが高くなりがち。だからといって、お神札を無造作に立てかけて置いたり、お神札に直接、画鋲を刺して壁に貼ったり、テープで直貼りをするようなことは止めましょう。

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