秋篠宮家の次女、佳子さまが11月1日、南米ペルー訪問のために出発した。今年は日本とペルーの外交関係樹立から150年にあたり、10日間の日程で同国を訪れ、現地の日系人らと交流する予定だ。南米は2019年に秋篠宮家の長女、小室眞子さんもペルーを訪問するなど、最近は秋篠宮家のメンバーが相次いで訪れている。日本から遠い南米の訪問を秋篠宮家が担っている背景には、皇室の「少子高齢化」がありそうだ。
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明るいグリーンのスーツを着た佳子さまが、東京・羽田空港の搭乗口にさっそうと現れた。エネルギッシュな笑顔は、その場の空気を活気づけてくれるようだ。
見送りに立つ空港の関係者らに順番にあいさつをする。居合わせた人びとから、「佳子さま」と歓声が飛ぶと、ほほ笑んで会釈をして飛行機に乗り込んだ。
皇室の海外の訪問先としては王室がある欧州各国が多いが、日本人の移民とその子孫が多い南米やアジアも頻度が高い。
特に南米は多くの日本人が移住し、汗を流して土地を切り開き、そして第2次世界大戦で強制収容されるなどした艱難辛苦の歴史を持つ。そしてそれぞれの国で深く根を張って生きている日系人たちの存在を、皇室は心に留めてきた。
各国を訪問した皇族たちは、現地の日系人と直接ふれあい、言葉を交わしてきた。上皇后美智子さまは、日本を懐かしむ高齢の日系人のために、日本から干菓子などを持参したこともあった。
「皇族の訪問は難しかった」
「南米の移民村へ 皇族・初の御訪問」
朝日新聞がそう伝えたのは1934年。ブラジルやアルゼンチン、チリ、ペルーを皇族が訪ねる予定だった。しかし、情勢が不安定だとして取りやめになった。